落語/落語関連情報

「上方落語」ってなに?(2ページ目)

明石家さんま、笑福亭鶴瓶、桂三枝、桂文珍、彼らはみな落語家です(さんまのみ過去形)。彼らのトークの上手さや面白さの基礎は落語です。今回は関西のお笑いの原点である上方落語を紹介します。

執筆者:清水 篤司

上方落語の身分制度

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現在、上方落語界には東京のような明確な真打制度はないようです。身分的な上下関係より実力と人気が重要という実質的な考えと、自由な気風が封建的な制度を嫌うのでしょう。

とはいえ、一応、落語会での出演順などを考える際に分かりやすいように、上方落語協会内での身分制度があるようです。芸暦5年くらいで中座、15年以上だと真打と同じくらいの格で、それ以上はさらにランクわけがあるようですが、いわゆるタレントなどがよく使う、芸暦の長さや人気で格付けしているようです。

演目の特徴

基本的に「笑い」がもっとも重要視されます。東京では人情噺と呼ばれる、これといったサゲ(落ち)がない、ストーリーを聞かせる演目が好まれる傾向がありますが、上方ではやはり「笑かせて、なんぼ」という意識が強いので、笑いが少なく、これといったサゲがない演目はほとんどありません。

落語とは字のごとく「落とし噺」ですので「最後は落ちがなければならい!」と徹底しているという見方できますが、みなさんもご存知のとおりの関西では「笑い」が一番!という地域性の影響が私は強いと思います。

上方落語は見せる落語

江戸(東京)の落語が噺の筋(ストーリー)に主点を置く「聴かせる落語」であるならば、上方落語は「はめもの」などの演出効果や体を使って客を笑わせることに主点を置く「見せる落語」といえるのではないでしょうか?

初めて落語を観る人(とくに若い世代)にとっては筋で楽しませる江戸落語よりも演出効果や笑いがタップリ詰まった上方落語のほうが、現在の関西のお笑いタレントに慣れ親しんでいるので、とっつきやすいかもしれませんね。

最近は上方落語の噺家達が都内均衡の落語会に出演したり、独演会を開催するように以前より上方落語を頻繁に見ることができるようになりました。ぜひ、笑いがタップリ詰まった上方落語を見て会場で笑い転げてください。
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