映画作りで、あることを水平にしてゆきたいという監督。詳しくは、本インタビューの3ページ目で。 |
キム・ギドク監督:確かにオーディションを通してキャスティングするケースが多いです。最初に誰かが決まったあとに、相手役はどんな顔立ちの人をもってくるか?って考慮して選ぶ必要があると思うんです。常にそういうことを考えてキャスティングしています。今回は、最初に整形後の役であるソン・ヒョナさんが決まって、整形前の役のパク・チニョンさんは、あとから決まりました。顔は違ってもいいけれど、背丈など体型は似ていなくてはと思いました。最終的には、よく見たら顔も似ていて、幸いでした。
―― キャスティングの決め手を教えてください。
キム・ギドク監督:オーディションはトップスターに頼らずに選んで、映画に出てもらえる良さがある。ただ韓国は未だにスターが出演していないと製作費が集まらないなど、とても大変な製作事情があります。わたしの作品の多くはスターを使えない分、低予算ですが。
―― スターを起用しないことで、自分のスタイルを出せるメリットもあるのでは?
キム・ギドク監督:そうですね。もしスターを起用したら、そのイメージを変えるのも面白いと思います。実は『悪い男』はチャン・ドンゴンさんに当て書きした脚本だったんです。是非、出演してほしかったんですけどね。でも脚本を見せたらあまりに内容が強烈で「ちょっと……」と断られてしまったんです。でも、そのあと『コーストガード』でまったく違うキャラで登場してくれました(笑顔)。
―― 前作『弓』のソ・ジソクさんが出演しますね。
キム・ギドク監督:監督が一人の俳優に執着するのは、よくないことだと思っています。できれば同じ俳優と何度もやるのは避けたいと思っています。同じような役柄をやらせるつもりはなくて、違う作品で、役柄も違うものがあれば、出演もあるかと思います。
――ご自身の作品について