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『絶対の愛』キム・ギドク監督インタビュー(2ページ目)

ベルリン、ベネチア映画祭を制した韓国の異才キム・ギドクの第13作目『絶対の愛』が3月10日公開になります。来日された監督に直撃インタビュー!新作『ブレス(原題)』についても語ります。

執筆者:南 樹里

『絶対の愛』キム・ギドク監督インタビュー
映画作りで、あることを水平にしてゆきたいという監督。詳しくは、本インタビューの3ページ目で。
―― キャスティングのために、よくオーディションされるそうですが、本作は?

キム・ギドク監督:確かにオーディションを通してキャスティングするケースが多いです。最初に誰かが決まったあとに、相手役はどんな顔立ちの人をもってくるか?って考慮して選ぶ必要があると思うんです。常にそういうことを考えてキャスティングしています。今回は、最初に整形後の役であるソン・ヒョナさんが決まって、整形前の役のパク・チニョンさんは、あとから決まりました。顔は違ってもいいけれど、背丈など体型は似ていなくてはと思いました。最終的には、よく見たら顔も似ていて、幸いでした。

―― キャスティングの決め手を教えてください。

キム・ギドク監督:オーディションはトップスターに頼らずに選んで、映画に出てもらえる良さがある。ただ韓国は未だにスターが出演していないと製作費が集まらないなど、とても大変な製作事情があります。わたしの作品の多くはスターを使えない分、低予算ですが。

―― スターを起用しないことで、自分のスタイルを出せるメリットもあるのでは?

キム・ギドク監督:そうですね。もしスターを起用したら、そのイメージを変えるのも面白いと思います。実は『悪い男』はチャン・ドンゴンさんに当て書きした脚本だったんです。是非、出演してほしかったんですけどね。でも脚本を見せたらあまりに内容が強烈で「ちょっと……」と断られてしまったんです。でも、そのあと『コーストガード』でまったく違うキャラで登場してくれました(笑顔)。

―― 前作『弓』のソ・ジソクさんが出演しますね。

キム・ギドク監督:監督が一人の俳優に執着するのは、よくないことだと思っています。できれば同じ俳優と何度もやるのは避けたいと思っています。同じような役柄をやらせるつもりはなくて、違う作品で、役柄も違うものがあれば、出演もあるかと思います。

――ご自身の作品について

『絶対の愛』キム・ギドク監督インタビュー 【必読】監督自身が語る「キム・ギドクの5つのこと」 キム・ギドク監督:映画の仕事をはじめて10年。最新作を含めて14本を手がけました。みなさんご存知かと思いますが、わたしは絵を描いたりするので、彫刻のイメージだったり取り入れて脚本を書いてきました。これまでの作品は、半抽象映画。【イメージと物語が混在した映画】、あるいは【リアリズムとファンタジーがミックスした映画】だと思っています。できることならば、たくさんの方に見て欲しいと思いますが、それによってお金を儲けたいという気持ちはありません。

『絶対の愛』キム・ギドク監督インタビュー
【必読】監督自身が語る「5つのキム・ギドクのこと」

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