『ルー・サロメ -善悪の彼岸ノーカット版-』を観ました
肉体と精神のファム・ファタール―偉大なる知性が愛した女、ルー・サロメ。その肉体と精神。
『ルー・サロメ -善悪の彼岸 ノーカット版-』(1977)[BEYOND GOOD AND EVIL][AL DI LA DEL BENE E DEL MALE]
<<1982年、春。イタリアのローマ。哲学者パウル・レーは魅力的なロシア人女性ルー・サロメ(ドミニク・サンダ)に魅了される。しかしルー・サロメは「結婚なんて牢獄と同じ」という考えをもっていて、夢は二人の男性と共同生活しながら学問をすることだと語る才色兼備な自由を求めるファム・ファタールだった>> 『愛の嵐』での性の描がき方でセンセーショナルな話題を起こした監督の作品がリバイバル、しかもノーカット版で公開になります。修整箇所の関係から、オヤジたちが好きそうなエロエロ映画か、と思うなかれ。女性が見たらきっと何かを感じられる映画です。女優志望の人は必見でしょうね。この機会を逃さずに。というのもこのルー・サロメを演じたいと思う女優さんは意外にも多いのだ。それは『ベティ・ブルー』を演じてみたいと思うのと似た理由に思える。もっともこちらの方が、より演じがいがあるのではないかと、思えます。このキャラを納得させるリアルさをだすのは、相当難しそうだから。 悪魔とダンス、ほぼ全裸(あの部分にカバーをつけて。うぉー、Tバックではないか、なんて思っていては情けなし)―ニーチェの見る幻覚だからだけど、なぜ裸体。がこれもマジックですな。監督は舞台の演出もされるそうなので、エロさ、よりも芸術的に見えてくる。上質のワインで酔った感じです。演じているのは、一見美しくもなさげな女優―ドミニク・サンダ。だが、時間がたつに連れて、魅力が増していくのです。この横顔の美しさはフィルムメーカーに愛されるだろうな、と。現代風にくずすとジュリア・ロバーツになると思えます。 現代は、ルー・サロメのような女性が増えている気がしますけど…。その知性は「『メス猿』なんて決して呼ばせたりしない!」って感じです。女性の嫉妬―特にニーチェの妹、エリーザベトにはぐったりさせれますが、ニーチェの一言が効き目をなすかと思いきや、変わりません。『ドッグヴィル』『マンダレイ』のグレースのように、理想主義者というか。対照的に浮き上がる怖さは、男の独占欲。[2005/12/22] |
『ルー・サロメ -善悪の彼岸 ノーカット版-』 (R-18) |
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