ロッテ・ライニガーの世界-影絵アニメーション

『アクメッド王子の冒険』(1923)[THE ADVENTURE OF PRINCE ACHMED]

1899年ベルリン生まれのロッテ・ライニガー[Lotte Reiniger]さん（1899～1981）は、映像作家に憧れ、マックス・ラインハルト劇団に参加。アニメーション研究者の協力を得て、1919年に短編『美しき魂の飾り』を制作、数編の短編作を経て、1923年にこの『アクメッド王子の冒険』を3年がかりで完成させた。今回上映されるのは、完全修復35mmニュープリント＆＜世界初＞ステレオ・サウンド版なのだ。1929年の上映記録以来となる、まさに魅惑の影絵アニメーション。

＜＜「アラビアンナイト」をベースにした冒険活劇。イスラム王、カリフの誕生日を祝ってにぎわう都に魔法使いがあらわれ、魔法で作り出した空飛ぶ馬をつかって飛んでみせる。カリフが、その馬を欲しいと申し出ると、条件がだされた。＞＞『アクメッド王子の冒険』

＜＜ビゼーの歌劇「カルメン」がモチーフの音楽劇。＞＞『カルメン』

＜＜モーツァルトの歌劇「魔笛」をモチーフにし、中でもパパゲーノを主人公にした音楽パロディ。＞＞『パパゲーノ』

このほかに『ガラテア』『眠れる森の美女』『長靴をはいた猫』も上映されます。淀川長治氏も絶賛のロッテ・ライニガーさんの作品をこの目で見られるとは思いもしませんでした。宮殿や森、孔雀など細部まで細かく繊細な「いい仕事してますね～」（ときっと鑑定士も唸る）素晴らしさ、構図もバッチリで、懐かしさも感じつつ、そして音楽にピッタリとあった動きに鳥肌がたちまくりデス。[2005/8/5]

『アクメッド王子の冒険』
[THE ADVENTURE OF PRINCE ACHMED]
2005年11月12日[土]～12月16日[金] 東京都写真美術館ホールにて上映
製作：コメニウスフィルム　監督・影絵アニメーター：ロッテ・ライニガー
日本語字幕：松岡葉子
1926年／ドイツ／1時間5分／アスミック・エース配給
公式サイト：http://www.reiniger-world.com/