『モンスター(2003)Monster』
主人公のアイリーン・ウォーノス[Aileen Wuornos]は全米初の女性連続殺人犯として<モンスター>と呼ばれスキャンダラスに取り上げられ、2002年10月死刑に処されている。シャーリーズ・セロンは本作が長編デビューとなるパティ・ジェンキンズ監督とともにアイリーン・ウォーノスにコンタクトを取り続け、死刑前夜に本人から了承をとり、十数年にわたる彼女の手紙などから真実に迫っていく。
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不幸な環境で生まれ育ち、虐待と侮辱に彩られながらも希望を持ち、娼婦として過酷な日常を生き抜いてきたアイリーン・ウォーノス。しかし夢見ることに疲れ自殺を考えたその時、生まれて初めて自分を蔑むことなく愛してくれる人とめぐりあう。再び生きようと思うアイリーン・ウォーノスだが、客に死の寸前まで暴力をふるわれ、とっさに相手を殺害してしまう…。普通の幸せを求めながらも、アメリカ社会の閉鎖性に生きる道を失っていくアイリーン・ウォーノス。シャーリーズ・セロンの熱演とジェンキンズ監督の精神は単なるドキュメントではなく社会の偽善や歪すら浮き彫りにするのだ。
本作によりアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞を手にしたシャーリーズ・セロンは壇上で、「ママは私がこの世界で夢を叶えるために、いつも多くのことを犠牲をはらってくれた。言葉で言いつくせないほど愛してるわ。本当にありがとう。」とスピーチ。南アフリカにいたころ、家族はアルコール依存症だった父の家庭内暴力に悩んでいた。シャーリーズ・セロンが15歳の時、父親が「お前たちを殺す」と自宅で銃を乱射。母親が射殺。のちの裁判で正当防衛が認められた。
特殊メイクに約2時間、毛細血管まで描いている。 | 二人が共演する新作『トリコロールに燃えて』 |
原題:『Monster』日本語版字幕翻訳者:松浦美奈■スタッフ監督&脚本:パティ・ジェンキンス(初監督作品)■キャストシャーリーズ・セロン『トリコロールに燃えて』『コール』、クリスティーナ・リッチ『ギャザリング』『スリーピー・ホロウ』[2003年/アメリカ/109分]配給:ギャガGシネマ
▼南の試写コメ『モンスター』・・・・・。鑑賞時の気分で、かなり見方が変わる作品だと思います。彼女がなぜ、そうなったのか?という背景をもっと詳しく知った上で見たかった。⇒ドキュメンタリー版もあり。そういうところは、『ボーイズ・ドント・クライ』と似ているかも。あちらは同じ女性として見るに耐えない描写が多々あったけれど、このモンスターは、絶対に理解できるはずがないのだけれど、ちょっぴり心の叫びが分かる気がした。同じ孤独感・孤立感を抱えていたセルビーとのやりとりがよけいにツライ。だってセルビーには、帰る場所というか、他にも居場所があったから…。でも…う~。鑑賞後に↑受賞スピーチを読むと涙ぐんでいる南です。そうそうアカデミー賞授賞式でのシャーリーズ・セロンには、体型を戻しててビックリ(ですよね?)。劇中…ジーンズ姿の時は、13kg増量も納得。スカート姿になると、ひざ下のラインはやっぱり美しいまま。
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