『キング・アーサー』は[人]に焦点をあてた -アントワン・フークワ監督-
大の黒澤明監督ファンというアントワン・フークワ監督。前回の来日時に東京、大阪、京都をまわったので、今回は、富士山に登ってみたいそうな。昨秋、日本で公開した監督作『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の際も主演のブルース・ウィリスだけでなく、彼が率いる隊員(=脇役たち)の生き様をかっこよく描いていたことが記憶に残る。今回も英雄であるアーサーだけでなく、円卓の騎士たちの男気を見せることも忘れていないのが印象的で、是非、お話を聞いてみたいと思っていた。
『キング・アーサー』には「どんな歴史の中でも常に、自分のことを顧みずに自己犠牲する人、見返り、報酬を求めず身を挺して人を助けるといったことが素晴らしいと思います」と、大好きな『七人の侍』(黒澤明監督)を反映させているそうだ。また黒澤流の演出、観客が登場人物に共感してから戦闘シーンに入るようにしたとも語る。「氷のシーン」では、実写、CG、スタジオ内に氷をはっての撮影、巨大な水槽による水中撮影といった6から7種類をあわせて成したシーンなのだとか。
「あらゆる伝説には、始まりがあります。アーサー王の話は、魔法の剣がメインになることが多かったと思います。今回は人間に焦点をあてたかったんです。実在性を信じられるヒーロー、そのヒーローが偉業を成し遂げたということ。子供がアーサー王を知って、歴史本を読んでこんな王様がいたんだ!すごいなぁ~とと思える作品。現代は、そういうものが求められていると思いました」とこれまでのアーサー王を扱った映画との違いを述べた。ただその撮影はどのシーンも難しかったという。
『キング・アーサー』 -ヨアン・グリフィズ-
ランスロットを演じたヨアン・グリフィズ。イギリス海軍の士官候補生を演じた「ホーンブロワー」などコスチュームを身に付ける作品が多かった。ご自身も「歴史ものへの出演が多かった」と語る、この次は「スーパーヒーローでブルーのスパンデックスのスーツを身に付けて…」と笑った。『キング・アーサー』に出演した感想は「偉大な人物を演じられる事は俳優としては嬉しく思っています」と語った。出演前には、乗馬や、2本の刀をたくみにさばく訓練をしたそうだが、とても大変だったそう。
キング・アーサーの魅力は「ランスロットとアーサーの関係だと思います。二人は兄弟のような関係であったからこそ、自分達の現在の生活に関連づけできるような気がしました。だからこそ、リアルな物語になったと思います」と言葉数は少ないものの、端的に質問に答えていくのが印象的でした。
▼南樹里の試写コメアーサーたちの男気に感動。水・湖、聖杯、剣、魔法使い、誘拐、救出といった伝説に登場する要素は所々に。特に「氷のシーン」で心臓ばくばく。ヨアン・グリフィズ演ずる寡黙な騎士ランスロットは、『ギャザリング』同様、目ヂカラで訴えかけてきます。これにシビれる女性も・・・・・・・・多いはず。(来日会見でみせた紳士っぷりも素敵だけどね。)そしてキーラ・ナイトレイ、予告編でも観られる闘いのシーン。『ベッカムに恋して』もだけど、あんなふうに思いっきり叫んでも美しいって…。お涙ポイントは4回、オープニング・約45分後・約75分後・約90分後でした。
●おまけアーサーの墓碑銘には、Here lies Arthur, King that was and King shall be.という意味のラテン語が刻まれている。過去と未来を表して…う~む。
『キング・アーサー』プロダクションフォト[about.com](英語)。クリックすると拡大表示されます。映画・来日・ニュース・イベント2004年の夏休み映画をピックアップ
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