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『シルミド/SILMIDO』来日会見(4ページ目)

6月5日[土]~公開。韓国政府が30年間、隠してきた70年代の北朝鮮の金日成主席(当時)暗殺を企てた特殊部隊の反乱「シルミド事件」を映画化。小泉首相も観たがっている!?とか。

執筆者:南 樹里

★☆ シルミド/SILMIDO 来日会見 ☆★
シルミド/SILMIDO

Q:なぜ映画化しようと?思い入れの強いキャラクターは?

●カン・ウソク監督「私以外にも多くの監督がこの作品の映画化を試みています、でも実際には条件が整わなかったり…で映画化できませんでいた。私は2年6ヶ月前に映画化しようと決めました。韓国映画は、韓国市場においては良くなってきていた時でした。でもハリウッドのブッロクバスター(超大作)映画と正面対決した際には、勝てるのだろうか?と思ったときに、この題材に出会い、これなら大丈夫だと思いました。」

シルミド/SILMIDO

「脚本を書く中でリサーチしていた、史実に基づく話だけれども商業映画にしてはいけないと思いました。物理的には誇張はするけれども、感情的には、あるがままの姿で誇張しない。映画を見た観客の方々に、あたかも事件の目撃者だと感じてもらえるようにしたのです。"シルミド"は修飾しなくても題材自体が衝撃的なストーリーなので、あるがままに率直に描こうと思いました。死亡者が50名以上、生存者が6名、それにこの部隊をつくった人、事件に関係した公職者の方も生存していっらしゃいます。映画が封切りされれば、必ず反響はあるだろうし、評価は二つに一つ、だからやるだけやってみようと思いました。」

「俳優3名には、あるがままの姿で、演技をしないで欲しい。役を作ろうとしないで、自分が感じたままを表現して欲しい。こちらが動くから、カメラを意識しないで欲しいと言いました。実際の状況を撮るかのようにしました。訓練兵は訓練兵のように、指導官は指導官のように、事件があったままに、かっこをつけた演出をつけなかったことで、観客と正面きって向き合ったのです。観客はこの映画を見てニュースを見るかのように歴史の本を読むかのように感じて涙してくれたのではないでしょうか?CGを使用せず俳優が実写で行っております。小さな事故はありましたが、毎日心配していたにもかかわらず大事故はありませんでした。これは、たぶん事件に関わった犠牲になった兵士の方々が、見守ってくれていたのではないかと思います。無事にこの映画を撮り終えて自分達の悔しさを晴らして欲しい、自分達の霊を慰めて欲しい、そのような思いがあったからだと思い一番、記憶に残っており一番、感謝していることです。」

シルミド/SILMIDO

「一番印象にに残る人物といったらこの中の3人の中から一人を選ぶことになります。かっこ良く[死んで]いった、[ソル・ギョング]氏や[アン・ソンギ]氏ではなく、悪役でありながら非常に人間味のある演技をしてくださった[ホ・ジュノ]氏を選びたいと思います。それに[チョ]を撮っている時に、一番、一生懸命撮りましたし、だからこそ[ホ・ジュノ]氏を一番怒ったりもしました。」

本文中に[   ]とブランクになっている部分は、ネタばれを考慮した【隠しコメント】です。マウスの場合、左クリックしながらカーソルをのせ、なぞっていただければ表示されます。

Q:演じたキャラクターに共感できる、できない部分は?

■ソル・ギョング(薜景求)「韓国人というのは、南北間のイデオロギーについて敏感ですし自信を持っています。韓国人であるならば、たとえ若くても南北のことに関して関心を持っています。その当時の時代的な状況、軍事独裁政権だったんですが、その当時の人ならば共感できることでしょうが、私がその当時に置かれていたら共感できなかったと思います。映画の中では、だいぶ表現を自制されていました。私としては共感できなかったと思ます。劇中の生活は、十分に描かれていないですが地獄とかわらなかったでしょう。実際に事件のあったシルミ島で撮影しているなかでも、どんな思いでこの島にいたのだろうか?3年以上もの間、非常に残酷な状況の中で閉じ込められていて想像も出来ないような体験をしたのだと思います。バスの中で[自爆をする]シーンなんですけれどもその際に、何を話していたのだろうか?またその心情は?誰も知りえることのできない想像の上でしかないのですが…想像を絶するものだと思います。

★アン・ソンギ(安聖基)「隊長役を演じましたが、劇中では非常に人間的に描かれていたと思います。訓練の場面も実際のものよりも過酷ではありません。そのことが共感できるのではないかと思います。『シルミド/SILMIDO』の中で[最終的な決断]を軍曹にまかせてしまう、一方でソル・ギョング演じる主人公にも密かに[知らせるという決断を留保する]部分まで理解できます。自分自身があの立場に立たされたらホ・ジュノの演じたチョではなくパク軍曹のように自分を優先してしまう。自分達の命のために[他の人たちを抹殺する決定]を下してします側に、私自身もなってしまうのではないかと思いす。

◆ホ・ジュノ(許峻豪)「この映画の全てを共感し納得してはいるんですが、あえて納得できない部分というと、こういう風に[人間を捨てられる、そういう命令]を下す人たちの心情というものは理解できないです。非常に冷たく、ぞっとする人間たちだと思います。そういう人間が現実にならないことを願っています。

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