『火火 ひび』(2004)
『火火 ひび』について女性陶芸家の草分けであり、骨髄バンクの立ち上げにも尽力した神山清子さんの半生を描いた感動作。滋賀県信楽町の信楽焼(日本を代表する焼き物のひとつ)で、独自の古代穴窪を用いて、再現不可能とされていた<信楽自然釉>を再現し陶芸界に新風を吹き込む。 【注目】+神山さんは白血病を発病した息子、賢一氏の命を救うために尽力。この活動が現在の骨髄バンクの設立へと繋がっているという。+賢一役に俳優の窪塚洋介氏の弟でこの作品が映画デビュー作となる窪塚俊介氏。+窯で燃える火(1200℃)、賢一氏の遺品の天目作品も含め、大量の陶芸作品のすべてが本物。+ロケ地は神山さんの窯にて。+骨髄採取や移植シーンも本物の病院の無菌室にて撮影。+白血病を発病し、骨髄移植で生還を遂げた吉井怜さんも出演。 『火火 ひび』ストーリー滋賀県甲賀市の信楽に暮らす陶芸家の神山清子は、夫とふたりで窯を営んでいた。だが、ある日、夫は若い愛人と家を出てしまう。残された彼女は女手ひとつで息子の賢一と娘の久美子を育てることを決意し、独自の窯で再現不可能とされた信楽自然釉の再現に挑み孤軍奮闘する。ある日、賢一が病で倒れ…。 | |||||||||||
◆スタッフ◆監督:高橋伴明脚本:高橋伴明 撮影:栢野直樹『Shall we ダンス?』美術: 金勝浩一 『ピンポン』音楽:梅林茂『LOVERS』 『2046』原作:那須田稔、岸川悦子「母さん子守歌うたって」 ひくまの出版 ◆キャスト◆ 神山清子(女性陶芸家):田中裕子神山賢一(清子の長男):窪塚俊介倉垣幸子(清子の妹):石田えり石井利兵衛(陶芸家):岸部一徳牛尼瑞香(清子の弟子):黒沢あすか神山久美子(清子の長女):遠山景織子浜岡なぎさ(看護師):吉井怜井原正巳(サッカー選手): 井原正巳[特別出演]竹田学(清子の夫):石黒賢[特別出演] 『火火 ひび』公式サイトhttp://www.hibi.cn |
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▼南の試写コメ『火火』通常のマスコミ試写だと思い会場へ。ところが上映前に神山清子さんが登場され、ご挨拶。「思いが…つまってます。なぜこの映画を作りたかったかの答えがこの映画の中に、すべてあります。火はCGではありません。作品もすべて本物です。(神山さんの指導により)俳優さん方がつくられたものです。」といった感じ。ご本人の言葉は、やはり説得力があります。劇中では田中裕子さんが演じていましたが、お陰で、どこかでオーバーラップさせて見ていたように思います。どん底でも、明るさを忘れずに生きていく姿に感動し、借金チャラ・ダンスに…笑いました。白血病と闘う主人公を描いた作品といえば、ディディエ・ドゥコワン原作の小説「眼れフローレンス」の映画化で国民的美少女、後藤久美子さん主演の『ラブ・ストーリーを君に』(1988)や、昨年では『半落ち』 『夏休みのレモネード』『世界の中心で、愛をさけぶ』などが思い浮かびます。『火火』では、母は強し!って言葉がピッタリ。ともかく轆轤[ろくろ]を回したり、(陶芸の)窯に火をくべる姿も実演。実際の骨髄採取の現場ってどーなの?という場面や無菌室で患者の術後のケアの様子などはインパクト大。
[2004年11月5日 @映画美試写室にて]
神山清子さんの作品に興味を持たれた方は、17年2月に銀座松坂屋画廊にて個展「火火」作品展開催予定だそうです。神山さんの作品⇒信楽自然釉徳利立木義浩氏による写真集やサウンドトラックも発売予定。⇒骨髄バンク⇒『火火』ロケ日記あり、滋賀ロケーションオフィス
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