80年代、ひとつのカルチャー・アイコンとなった作家、ブレット・イーストン・エリス。その著作の中で唯一映像化不可能と言われた『ルールズ・オブ・アトラクション』を映画界の風雲児ロジャー・エイヴァリーが遂に完全映画化。(クエンティン・タランティーノと共にあの『パルプ・フィクション』を生んだ』)モノローグ1980年代、ジェイ・マキナニー、タマ・ジャノビッツら若い作家が、バブル期の若者の≪空虚さ・無感情・不満・不安・倦怠感≫を描いた小説を続々に発表し、≪ニュー・ロスト・ジェネレーション≫という、一種の世代カテゴリーを示す言葉が生まれた。 |
その中核を為した作家、ブレット・イーストン・エリス。彼は1985年21歳で処女作『レス・ザン・ゼロ』を書き上げた。自ら若さの絶頂にありながら、底無しの絶望と虚無を表現する文学スタイルが世界に衝撃を与え、全米で大ベストセラーとなる。1987年に、エリスが23歳で発表した第2作目『ルールズ・オブ・アトラクション』は、1991年に出版された『アメリカン・サイコ』へと完結する3部作のひとつ。どうしようもない心の出会いとすれ違いを、あまりにも斬新な同時進行の独白体で綴っているため、唯一、映像化不可能と言われ、今日まで映画化されること無く、長く時を待っていた。しかし、前後2篇の衝撃作は、この最後の1ピースなくしては完結しない。 |
一流の大学に通い、何不自由ない人生を送ってきた彼ら。この映画の登場人物たちは、それでも何かに"枯渇"し、"虚無感"を覚え、人との結びつき、ふれあいを求めてしまう。何か願うほどに、叶わない、そんな人の気持ち。若ければ若いほど、切望と絶望が代わる代わるやってくる、ままならない心の葛藤に苦しむ。絶望的なまでに相手を知りたいと願う若者たち。それは今、誰かが経験しているかもしれない。時代を越え、今の若者である、かつて若者であった、誰もが通る気持ちの記憶を描く切ない青春群像劇。 |