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虐殺の史実『アララトの聖母』(2ページ目)

10月4日~公開。アルメニア人画家、アーシル・ゴーキーが描いた「芸術家と母親」の絵画を中心に民族の悲劇、親子の絆、人の情を描いたアトム・エゴヤン監督作。

執筆者:南 樹里

ベースは、アメリカ人宣教師のクラレンス・アッシャーが記した「トルコのアメリカ人宣教師」(1917年出版)
クラレンス・アッシャー:Clarence Ussher 原題:[AN AMERICAN PHYSICIAN IN TURKEY]
劇中、クラレンス・アッシャーを演じたブルース・グリーンウッドは、「エキストラの中に、虐殺の生きた証拠ともいうべき人がいたんだ。ある場面で共演した93歳の男性のことを、今でも覚えているよ。虐殺を目撃した人々も年を取っていく。そうすると当時を思い出すのが困難になってくるし、あの悲劇を忘れてしまいかねない。あの虐殺が事実だということを、世界は早く認めるべきだ。そうでなければ、虐殺は単に過去の出来事になってしまい、やがてその記憶は薄れていき、思い出せなくなり、やがて何もなかったように思われてしまうことになる」と印象に残った事を語っている。▼キャスト:ラフィ:デヴィッド・アルペイ (本作でデビュー)映画監督のサロヤン:シャルル・アズナブール『ピアニストを撃て』アニ:アーシニー・カンジャン『スウィートヒアアフター』『エキゾチカ』 シリア:マリ・ジョゼ・クローズ『渦』トルコ人総督:イライアス・コティーズ 『シン・レッド・ライン』『クラッシュ』原題:『ARARAT』監督・脚本・製作:アトム・エゴヤン音楽:マイケル・ダナ[2002年/カナダ/115分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル] ▼南の試写コメ登場人物、それぞれに秘めた”喪失感”があって、そこをうまく紡ぎあげた作品だと思う。カナダを代表する巨匠と呼ばれるアトム・エゴヤン。その座を不動のものにしたカンヌ映画祭の国際映画批評家連盟賞を受賞した『エキゾチカ』と、同映画祭審査員グランプリを受賞した『スウィートヒアアフター』。虐殺ばかりを描いてるわけでなく、《人として》という部分も多く複雑になりがちな話をうまく創り上げており、見ごたえがありました。それで鑑賞後、詳細を知りたくて読んだのが「アルメニアの悲劇」新潮選書 刊です。そういえば、子供の頃、庭にあった柘榴の木に実が生るのを楽しみにしていました。
[2003年9月18日 カナダ大使館にて]
アルメニアの国旗
日本でアルメニアと聞いてピン!と来る方がどれだけいるのでしょうか?アルメニア=美女の国は本当か?っていうウワサを検証する企画が昨年ぐらいにテレビで放送されていました。結果⇒確かに美しい方の多い国だった。タイトルにもあるアララトは、アララテとも表記されるアルメニアにある聖なる山。というのも聖書では、大洪水の時のノアの箱舟が漂着したとして登場する。第七の月の十七日に箱舟はアララト山の上に止まった。「創世記」彼が自分の神ニスロクの神殿で礼拝しているときに、アドラメレクとサルエツェルが彼を剣にかけて殺した。彼らはアララトの地に逃亡し、センナケリブに代わってその子エサル・ハドンが王となった。「II列」大地に旗を立て、国々で角笛を吹き鳴らせ。バビロンを撃つために国々を聖別し/諸王国を呼び集めよ/アララト、ミンニ、そしてアシュケナズを。指揮官を立て、バビロンを攻めよ。群がるいなごのように軍馬を上らせよ。「エレ」~参考:新共同訳~
関連リンク集
↑[ARARAT] MIRAMAXのサイト(英語)[rottentomatoes](英語)←『アララトの聖母』場面写真[日本アルメニア友好協会]←アルメニアの写真も充実![外務省ホームページ]アルメニアのデータ等。
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