『Hello!オズワルド』は、やさしいタコの男の子オズワルドとペットのホットドッグ・ウィニーが繰り広げる、心和むほんわかストーリー。残念ながら私は、事前に『Hello!オズワルド』の日本語版を観ていなかった。だからBEGINのヴォーカル比嘉栄昇さんのあの哀感こもった切なそうな声が、果たして子どものアニメーションのキャラクターとしてどうなのか、疑問符が消えないままでインタビューに臨んだ。 | BEGIN(Vo)比嘉栄昇さん |
取材場所は、都内の某音楽スタジオ。モニターからは『Hello!オズワルド!』の日本語版の映像が流れている。オズワルドのほんわかとした声を聞いたとたん、比嘉さんをキャスティングしたスタッフの眼力というか、聴力の素晴らしさに脱帽した。さらにテーブルにちょこんと乗った青いオズワルドのぬいぐるみと、それの実写版というべき比嘉さんの丸い顔とを見比べて、もうこれは比嘉さんしかいないでしょ!と納得した私。
しかし当の比嘉さんは、最初オズワルドの吹き替えの話を聞いたとき、「できない! なぜ俺なんだ!」と思ったそうだ。
「引き受けたのは、制作スタッフから“未来の子どもたちのために”と言われたから。そう言われたら断る理由なんかないですし。自分にも子どもがいるので、単なる“仕事だから”という感じでは引き受けていないですね」
BEGINとしてのキャリアは、2002年で13年目に入った比嘉さん。もうベテランと言ってもいいほどなのに、吹き替えのときは初めて学園祭で歌ったときと同じ緊張感を味わったとか。
「緊張を通り越して、ボーッとしてました。地に足が着いてない感じ。とにかく、スタッフの方が思っているレベルまで、自分を、そしてこの作品を引き上げてもらいたい、というただそれだけでしたね」
「4話分(1話完結12分)しかやっていないんですが、気がついたら背中の右側の、なんでここがと思うようなところが筋肉痛になってました(笑)。やっぱりリキんでいたんでしょうね。あのときはホント、イッパイイッパイでしたから(笑)」と体を動かしながら笑顔で語る。