少女性
ガイド:
アーバンギャルドとしてのよこたんとは違う魅力が、この作品には確かにあるわけですが、それは全くの別世界というよりも秘密のドアで繋がった別の部屋だと感じました。着地点は違うのだけれど、基本は“少女”の世界。そう意味では、フレンチテクノポップが好きな人にも、アーバンギャルドのファンの人にも聴いてほしい。
浜崎:
ありがとうございます。当時の私がアーバンに対して興味を持ったのも、「少女性」をテーマの一つに掲げていたことですね。私、ユニコーンが大好きなんですけど、ユニコーンは処女だけは殺さないんです。それを加入時に熱弁していた事を思い出しました。やっぱり人間、興味のあるものにしか長続きしないんですよ。私の描く少女は、アーバンの描く少女とは別のモノだとは思いますが、根本的な部分で深く繋がっていると思ってます。
ガイド:
ユニコーン・・・バンドではなく、架空の動物の方ですね。
作詞はラストの「思春の森」はよこたんで、それ以外は天馬君ですね。今回、作詞の際、天馬君にはこうしてほしいいう指示は出したのですか? 「エミリー・シモンを100万回聴け!」とか。僕は、天馬君、よこたんの世界観が分かっているなぁ~と凄く感じたのですが。
浜崎:
浜崎容子 |
松永氏に作詞をお願いしたのは、以前から持っている「作詞は作詞家がすべき!」というポリシーからです。現代J-POPの質の低下など色々言われておりますが、それの重要な原因のひとつに、作詞家が詩を書かなくなったというのがあると思うんです。今まで詩なんて書いたことのないような人が書いちゃったりするから、何も心に響かない歌が増えていると思います。文章に真摯に向き合っている人こそが書くべきだと思いませんか。そんなこんなでアーバン加入前から優れた文章を書く人を探していたので、松永氏の書くものが探していたタイプの書き手でビックリしました。
楽曲に関しては、アルバム全体の統一感を出すために敢えて同じキーの曲を何曲も入れていたり、同じ音を使ったりしています。個人的に好きな曲調、好きな音ばかり使っている感じです。アーバンで浜崎作曲の曲が好きな人は、どストライクではないでしょうか(笑)。