模範曲「Sweet Pain」
ガイド:今回、教則本にも登場する模範曲としての美少女テクノポップ「Sweet Pain」を実際に作られているのは、本に書かれている事が、具体的にイメージ出来て、とても親切ですね。「Original Ver.」を作られるのには、何時間くらいかかったのでしょうか?
齋藤:
実際に元曲のバックトラックを製作するのに費やした時間は1時間程度でしょうか。もちろん、その後メロディーや歌詞を作ったり、ボーカルの録音、また初音ミクのプログラムをしたりという作業もありましたが、とても早く仕上がりました。
ガイド:
斬新だと思ったのは、“歌詞作りのポイント”について本で解説されているところです。通常、曲(バックトラック、メロディー)の部分の解説に重きが置かれますが、歌詞の部分との兼ね合いも含めて分かりやすく説明されていますね。齋藤さんの場合、通常はどのような順序で制作されるのでしょうか?
齋藤:
そのセッションによりさまざまですね。詞先、メロ先、またはインストゥルメントの曲など、製作する楽曲の目的やそのときのプロジェクトによって、順番は大きく変わってきます。あるいは曲と詞それぞれの作家さんがいて(あらかじめ曲が出来上っていて)、それに対してバックトラックをアレンジメントを含めてすべて作ることも多いですね。
◆「Sweet Pain -Original Ver.」(YouTube)
初音ミク
ガイド:「初音ミク」の体験版もDVDに収録されていますが、「初音ミク」は美少女テクノポップを作るに当たって、そのハードルを一機に下げたのは画期的だと思います。自分でヴォーカルどりができる女子ならいいですが、男子の場合、まずヴォーカル探しで頓挫しそうですから(笑)。「Sweet Pain (Miku Ver.)」も作られていますが、割とすんなりと作れたのでしょうか?
齋藤:
実は去年発売された松武秀樹さんのLogic Systemのアルバム『TANSU MATRIX』で、初めてボーカロイドのプログラムをやらせていただいたのですが、マニュアルを見ないでできるほど意外にも簡単にプログラムができました。そのときも今回も、「より機械的で人工的なボーカル」という課題でしたので、細かいヒューマナイズ作業をすることがほとんどなかったわけですが、このソフトはもっともっといじり倒してさらなる可能性を引き出してみたいと思いましたね。
◆初音ミク「Sweet Pain」(YouTube)
◆祝テクノライフ30周年~松武秀樹氏