テクノポップ/アーティストインタヴュー

8bit Project~伝説のセカンドステージ(2ページ目)

8bit Projectが、意味ありげなタイトル『SPICY INNOVATOR VS SUPERIOR MARIONETTE』のセカンドをリリース! Perfumeに始まり、YMOに終わるチップチューン21曲。メンバーの伊藤俊治さんにインタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

夕暮れ時のゲーセン

ガイド:
伊藤さんが最初にハマったビデオゲームやコンピューターゲームがあれば、教えて下さい。

伊藤:
私はテレビゲーム・ブームの最初の世代でして、お小遣いはほとんどスペースインベーダーやパックマン、ゼビウス等に消えていきました。今でもこれらのゲーム画面を見ると、当時の夕暮れ時のゲーセンの様子が目に浮かんで、やるせない気持ちになりますね。もちろん、ハリガネや電子ライターを使ってクレジットを99にしたり等の犯罪はしていません(笑)。

Perfume

ガイド:
ファースト・アルバムも幅の広いジャンルからのチップチューン・カヴァーでしたが、今回はさらにジャンルが広がっていますね。オープニングは、All Aboutテクノポップでもやたらに登場するPerfumeのカヴァーですが、Perfumeを選んだ理由およびカヴァーするに当たって特に工夫した点などがあれば、教えて下さい。個人的には“ポリループ”の箇所で、盛り上がっていました(笑)。

伊藤:
8bit Project
ありがとうございます(笑)。ジャンルはそれほど意識はしていませんが、「8bit化したサウンドがイメージできるかどうか」また、「架空のゲーム画面が見えてくるか」を重視して選曲しています。個人的な好みもあるとは思いますが、例えばマイケル・ジャクソンの曲などは、本人のキャラが立っているせいか、非常にイメージし易かったです。Perfumeも同様で、やはりキャラが立っていると、脳内でゲームの演出設定がどんどん勝手に出来上がっていきますね。制作面では「掟」を破ってヴォーカル・メロにオートチューンをかけようかと思ったのですが、自重しました。でも結局、サザンの「I AM YOUR SINGER」でつい、かけてしまいましたが・・(笑)。

ガイド:
この曲の場合、どのようなチップ音源および機材を使われたのでしょうか?他の曲もほぼ同様ですか?

伊藤:
1stアルバム同様に、特に珍しい機材は使っていません。8bit Projectはあくまでテクノ・ユニットであり、8bit原理主義ではありませんので、フィーリング重視でゆる~く作っています。しかし、メンバーそれぞれに特徴がありまして、東海林君は「当時の音」に非常にこだわりがあるようで、陰でこっそり音源開発をしているようです。アルバムのあちこちで聴かれる「わかる人にはわかる」系のリアルな音色は、ほとんど彼の手によるものです。また、いつの間にか日本シンセサイザープログラマー協会の理事になっておられた齋藤久師氏は、シンセのプロだけに、ハード/ソフトを問わず、シンセをフル活用しておりますし、最古メンバーの木下君は、今やいぶし銀の8bitサウンドを奏でています。
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