テクノポップ/近未来型アイドル

近未来対談~Aira MitsukiのCOPY問題(2ページ目)

「世紀のテクノポップムーヴメントを終わらせるという、問題作!!」と言い切った、テクノポップ界の刺客、Aira Mitsukiちゃんのデビューアルバム『COPY』について、けろっぐ博士と研究いたしました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

COPYのレトリック

先生:
言葉のニュアンスって面白いですよね。インチキと言うと、身も蓋もないですが、フェイクと言うと、ニューウェイヴ的にはイケているみたいに聞こえますしね。

否定的意味として、よく使われる、パクリというのも、婉曲に変換していくに従って、真似(COPY)、フォロワーと・・・同時期なら難しいけど、引用、リスペクト、再評価、更新となるとかなり肯定的。これも第2世代~、ポスト~、ネオ~、~復興となると革新的なリーダー・イメージさえ生まれますからね。まさにレトリック。

博士:
同じことが違って聞こえてくるから不思議です。

先生:
AiraちゃんもPerfume聴いているだろうし、あ~ちゃんもAiraちゃん聴いていると言っとったし。まぁ、周りが言う以上に、本人たちは平然としているのかもしれません。PerfumeがDaft Punkなら、AiraちゃんはJusticeやdigitalismを目指すみたいな(笑)。僕としては、Peachy'sのような企画もののフォロワー(AKAKAGEの作った楽曲のレベルは決して悪くない)も含めて、いろんな試みがあった方が単純に楽しいんですよ。80年代のテクノポップ・ブームも、YMO以外にも評価すべき人達は結構いたわけですから。

博士:
エレクトロ系ファンとしては、Airaちゃんはむしろ正統派になってきたのかもしれないけど、本当のエレクトロ好きは聞かない・・・というかその存在すら知らないのではないかとう危惧があります。

初回盤?通常盤?

先生:
いや、そのために僕たちが使命感をもって対談しているんですよ。

じゃ、アルバムの話へ。まずはジャケのアートワークはどう評価しますか? 初回盤の方が通常盤より、曲が少ないという業界の常識を打ち破る離れ業もしていますけど。8曲目の「ハイバッシュ」のYAKENOHARA ver.は、初回盤だけ。

博士:
キャンペーンとしては不思議な設定ですよね。私は迷わず通常盤買っちゃいました。ジャケがこれまた安っぽいアメコミみたいで“イカす”んですよね!!

GALAXY BOY

先生:
先ずは、PVも制作された「GALAXY BOY」。「Plastic Girl」「Sugarless Girl」(以上capsule)、「Ceramic Girl」(Perfume)、「Prism Boy」(MEG)とかの路線上にある、~Girl/~Boy型ですね。この手のもとしては、古くはムーンライダーズの「Video Boy」「Silicon Boy」。YMOなら「在広東少年」というのありますね。あと、一部店舗で『COPY』のおまけとして配布された曲に「Lonely Girl Lonely Boy」(記憶が正しければ)というのがあります。

博士:
オープニングから「元気」いっぱいなのには驚きました。元気といっても「ロケッツ」の方ですが・・・(汗)。 Airaちゃん、多面的に構えていますね。 成層圏近辺、たかが静止軌道上を徘徊する元気ロケッツに対し、ギャラクシー~アンドロメダと来ましたからね。スケール感では勝ちましたね。
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