Twinkle Snow Powdery Snow
博士:「Twinkle Snow Powdery Snow」は、改めて聞くと名曲ですね。ファインチューンは強制的に音程をジャストに修正するソフトですが、その性質上、もともと抑揚をつけて歌う人の方が、修正率が上がりフォルマントも変って声質変化が顕著になります。特にあ~ちゃんの場合、コブシが半音音程に強制的に置き換えられていたりして変化が顕著ですね。逆にのっちはもともとがフラットな声質なせいか、ちょっとイコライジングしてる位にしか聞こえないときもあります。この曲の場合、特に上の音程でハモってくるあ~ちゃんの声が絶妙。神のハーモニーですよ!!
Puppy love
先生:「Puppy love」というタイトルで子犬の歌だと勝手に思っていたんですが、これがツンデレ少女の歌だというのはやられました! 歌詞に出てくる「ツンデレーション」、そこの部分だけとるとちょっと下世話な感じがするんですが、「一方的な表現の・・・」が頭になっていることで、不思議な世界観のリリックになっています。サウンドの方も聴き込むほどに味わいのある万華鏡のようなポップソング。正に中田ヤスタカは現代のポップマエストロ。
博士:
ちょっとフレンチな感じが香る軽快なナンバーですね。 一見クセのある中田風ロックアレンジかと思いきや、結構オシャレな旋律。 タイトなフィルインで決めれば、フレンチポップ的にも仕上がる曲ですが、あえて独特の中田節とギリギリの所でせめぎあっている点が注目ですね。この傾向は「Take Me Take Me」にも感じます。
助手:
どこかしらアジカンやチャットモンチーなんかを思わせるギターポップな仕上がりですよね。博士の言うとおりギリギリのせめぎあいを感じます。Perfumeがブレイクして、自分の周りにもいろんな人が曲を聴くようになったんですが、「どれも一緒に聴こえる」という声をよく耳にするんです。それだけ中田サウンドが特徴的で個性があるということの裏返しなのだと思うのですが。そんな中で「Puppy love」や「マカロニ」のような曲を出していくのは正解だと思うんです。あくまで軸足を中田サウンドに置きながら、幅を広げていく。中田サウンドに近づこうとするフォロアーとはまったく別のベクトルですよね。素晴らしいです。
先生:
ちなみにpuppy loveという久保亜沙香と森下純菜による「史上最強の凶悪に可愛いふたり」と名乗るアイドル・ユニットがあるらしいです。
助手:
ほんとだ。。。うわ、森下さんボクと同い年ですよ。
先生:
でも、助手が好きなのは別の森下さん・・・森下くるみさんです、みなさん。
総評
博士:今回のアルバムをシングルと歌曲の間を適当なループ系のテクノで埋め合わせたと言ったヤツは、バカヤロウです。すいません、私の第一印象でした。反省しています。ともすれば、間奏曲的な扱いになるだろう「GAME」「Take me Take me」「Butterfly」等の楽曲の完成度が意外と高い。インストが主体のcapsuleでのエレクトロ系ループ楽曲としてのアプローチではなく、あくまでボーカルも含めた上での“楽曲”として作りこまれた完成度を感じます。しかも歌モノは最高の出来栄え。密度が高いと言う感じです。
先生:
前回のアルバム『Perfume~Complete Best~』が初回発売盤で1万枚くらいしか売れていなかったことを考えると、『GAME』の1位というのは正に隔世の感があります。「Perfume対談~ビジネスモデル研究」では、「媚びるのではなく、驚かせる。いい意味で裏切る。それが革新です。」と提言しましたが、理想的な裏切り、つまり革新をしてくれました。畏るべしPerfumeです。