ゲーム音楽のルーツ
All Aboutが立ち上がった頃、「ゲーム音楽」というガイドサイトがありました。「ゲーム・ミュージック」だったかもしれません。ちょっとした親近感を感じていたのですが、テクノポップとゲーム音楽というのは深い関係にあります。調べてみると・・・ゲーム音楽のルーツとされるのは、1977年のアーケード用ビデオゲームのEXIDY社の「サーカス」のBGMと言うことになっています。BGMといってもほとんどサウンド・エフェクトと言ったほうがいいかもしれません。まだ、任天堂のファミコンもなく、家庭でビデオゲームは出来ないので、ゲーセンや喫茶店でコインを入れてちまちまやっていた頃の話です。「サーカス」は、ブロック崩しを発展させたもので、シーソーを動かして二人のピエロが交互に空を飛んで風船を割るゲームです。
Computer Game
amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)Yellow Magic Orchestra |
アルバムのA面のラスト曲も「Computer Game」で締めくくります。こちらは「"Theme From The Invader"」。「ブロック崩し」「サーカス」に続き一世を風靡したタイトー社の「スペース・インベーダー」です。このゲームの必勝法は名古屋撃ちと呼ばれました。「インベーダー」サウンドのバックには「サーカス」のBGMが流れています。
B面は「東風」から始まり、「Acrobat」で終わるメドレー形式になっています。ビートルズの「Abbey Road」とか意識していたんでしょうかね。ラストの「Acrobat」では、「サーカス」からの「葬式行進曲」などのサウンドを使っており、A面トップへと繋がるメビウスの輪のような循環的な流れを作りましたが、米国版の『Yellow Magic Orchestra』からは削除されてしまいました。
YMOのファーストは、未だに風化しない普遍的な作品だと感じます。ゴダール映画からのタイトルの引用をしつつも(詳しくは「YMOとゴダール映画」を参照ください)、ビデオゲームという題材もこのファーストの根幹を成しています。実際、「サーカス」は米国ルーツのゲームですが、「スペース・インベーダー」以降の日本のゲーム産業の発展をまるで予言しているようです。
『Computer Game』は、海外で12インチもリリースされ、ビルボードのダンスチャートに入りました。その後のホワイト盤でリリースをされています。ちなみに今回、所有の12インチを探してみたのですが、現在行方不明であります。