テクノポップ/テクノポップ関連情報

フューチャーフォーク(3ページ目)

別称、テクノフォーク。フォークトロニカの元祖でしょうか? 当時(90年代)あまり注目されなかったフューチャーフォーク系を勝手に再評価してみます。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Think Sync Records

90年代においてニューウェイヴ的なものが見直される以前にテクノポップ系レーベルとして独自の活動をしていたのが、Think Sync Recordsです。Alfaでレコーディング・エンジニアをやっており、Scudelia Electroのメンバーでもあった寺田康彦が、このレーベルを1996年11月に設立。現在もレーベルとして続いています。以前、インタヴューしたテクノ歌姫、村上ユカもここのレーベル・アーティストです。そのThink Syncで3枚のアルバムを出したのが、折原信明と遠藤裕文から成るsnow mobiles。

テクノな歌姫、村上ユカさん
Think Sync Integral

テクノ化したはっぴいえんど~snow mobiles

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
snow mobiles
01. さいくりんぐ
02. ビビアン
03. きみのこと
04. 神無月のころ
05. 冬の精霊
06. 転がる雷
07. ゆうぐれ薄紫
08. 氷質幻想
09. 夏降る雪のうた
10. 風景と思考


当時、次世代型テクノポップと呼ばれていた彼ら、不思議な魅力を持っていました。デビュー・アルバム『snow mobiles』(1996年)では明らかに松本隆の影響が感じられる、はっぴいえんどがテクノポップ化したらsnow mobilesなんです。曲名は「ビビアン」(これはなかなか名曲)以外は外来語を排除した日本語。歌詞も99%日本語で日本語の美学の追求がされて、これは昨今のJ-POPとして斬新です。叙情的でフォーキーな日本語テクノポップと言ってもいいでしょう。「冬の精霊」はなんかXTCっぽいですが・・・

Music From Big Pink
銀の烏と小さな熊
基本的にファーストと同じ路線のセカンド・アルバム『銀の烏と小さな熊』(1998年)はファーストほどの驚きはありませんが、ファーストが好きな人ならすんなりと好きになれる作品でしょう。なんか見覚えがあるジャケは、The Bandの『Music From Big Pink』を明らかに意識したもの。

風note
今回の記事を書くまで、リリースしたことも知らなかったサード・アルバム『風note』(1999年)。はっぴいえんどには「風をあつめて」「風街ろまん」とかの「風」のイメージが強いですから、その影響でしょうか? このアルバムを最後にしてsnow mobilesとしてのリリースはありません。解散宣言は聞いていないので、いつか活動再開を期待します。

snow mobiles WEBSITE(サンプルも試聴できます)

テクノとフォークというのは一見相反するようですが、80年代のテクノポップも特に日本の場合、フォークの人脈ともかなり繋がっていました。YMOの細野晴臣、はちみつぱいから発展したムーンライダーズはもとより、あがた森魚、遠藤賢司など。岡林信康や泉谷しげるでさえも影響を受けていたわけですから。また、この辺は別の機会に記事にします。
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