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日曜午後のひとときに聴くテクノなAOR(2ページ目)

テクノとAOR、一見相反しているよう見えますが、その二つをブリッジしているのがミュージシャンのファンも多い、あのバンドであります。じゃ、ヒント・・・ハワード・ジョーンズ、チャイナ・クライシス。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

では、テクノの系譜でAORを探りましょう。

スティーリー・ダン・チルドレン

The Best of Howard Jones
デビュー時のハワード・ジョーンズは、第二期ブリティッシュ・インヴェージョンとともにエレクトロポップ界の貴公子としてヒット・チャートを賑わしました。80年代終盤へ向けて「No One Is To Blame」や「Everlasting Love」などバラード・ヒットが多かった事もあり、アダルト・オリエンティッドになって行きます。『New Song』(1983年)から『In The Running』(1992年)までの時系列のトラック順になっている彼のベスト盤『The Best of Howard Jones』(1993年)を聴いていくと、判ります。

17曲目で、ハワードがスティーリー・ダンのファンである証とも言える、ドナルド・フェイゲン(スティーリー・ダンの核の一人)のソロ曲「I.G.Y. (What A Beautiful World)」(前頁のAORコンピにも収録されてます)をカヴァーしています。2005年のカムバック・アルバム『Revolution Of Heart』では、エレクトロ回帰しています。Young Punx Remixヴァージョンもある「Just Look at You Now」なんかのハワードも大好きですけどね。

China Crisis Collection
スティーリー・ダンをAORという解釈で、テクノなAORと言えば、チャイナ・クライシスです。先ずは、無難に「Wishful Thinking」などの代表曲を収めたベスト盤『China Crisis Collection』(1997年)をご紹介します。バンド名からも予想がつく時折でてくる東洋的旋律、シンセとアコースティックの融合と、リバプール出身なのに妙にアメリカンな風味と当時のイギリスのニューウェイヴ系としては異彩を放っていました。

Flaunt the Imperfection
スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーをプロデューサーに希望し実現した3枚目のアルバム『Flaunt The Imperfection』(1985年)は、彼らのスティーリー・ダンへの傾倒が如実に出ています。麻薬中毒だったウォルターの音楽界復帰仕事でもありました。「Strength Of Character」などはアフタービートのスティーリー・ダン風ニューウェイヴという、なんだか美味しい焼きそばパンのような出来です。

Diary Of A Hollow Horse
1枚飛んで5枚目の『Diary Of A Hollow Horse』(1989年)ウォルターによるプロデュースにより「Red Letter Day」などの名曲を残しています。

ニューウェイヴ~ネオアコに於けるスティーリー・ダン・チルドレンは多く、フラ・リッポ・リッピ、ディーコン・ブルー(スティーリー・ダンの曲名)など、ジャンルを超えて愛されるバンドと言えます。

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