AORとは?
“テクノ”と“AOR”というこの一見相反するようなジャンルの組合せで一体記事が成り立つのだろうか? ほとんどのジャンルは融合可能の法則を証明します。
“AOR”とは“Adult Oriented Rock”の略ですね。和製英語ジャンルですが、Googleってみると、日本以外でも通じる国もあるようです。ネイティヴ的には“Adult Contemporary”ですね。“Black Contemporary”の事を“ブラコン”とか呼ぶ日本人ですが、“アダコン”は聞いた事はないですね。
もう少し具体的に、AORの具体例を挙げましょう。
AORど真ん中
amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ) |
Melodies-The Best of AOR- |
物色してみましたが、2枚組オムニバス『Melodies-The Best of AOR-』(2003年)は、KING OF AORと言える、AORの代表曲が36曲収められています。ジャケも一見、山下達郎風(達郎は入っていませんので、誤解の無いように)、概してアメリカン・ロック、フュージョンも織り込まれて、ウェストコースト勢も多い・・・日本社会で認知される海外のAORであります。ビルボード3週連続No.1に輝いたプレイヤーの「Baby Come Back」なんか懐かしー! 松前公高さんのDJでやけによくかかる曲でもあります。
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ロマンティック |
テクノポップのガイドはAORを聴かないのではないかと、懐疑心をお持ちでしょうか? そんな事はありません。1980年、僕が愛聴したAORの名盤と言えば、ジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスターによるスーパーAORユニット、エアプレイによる『ロマンティック(Airplay)』であります。プロダクションとして完成度が高い究極の80年代サウンドがここで出来上がっています。去年、紙ジャケット仕様初回限定盤を買ったぐらいですから。前述のコンピにも当然入っております。ボズ・スキャッグス、シカゴ、アース・ウィンド&ファイアー、ホール&オーツなどで名プロデューサーぶりを発揮するデヴィッド・フォスターは、AORの最重要人物の一人と言えましょう。
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A Decade Of Steely Dan |
ジャジーな大人のロックと言えば、スティーリー・ダンですね。名作が多すぎるので、最新ベスト盤『A Decade Of Steely Dan』(2006年)を紹介しておきます。TOTOやドゥービー・ブラザーズなどのメンバーも、キャリア的にスティーリー・ダンの系譜にあります。アメリカン・バンドであるにもかかわらず、イギリスのアーティスト達にもリスペクトされる特別なMusician's Musician的存在です。