CAVE Studio
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CAVE Studioは僕のプライベートスタジオであり、またオフィシャル・サイトでもあります。 時期的には95年あたりでしょうか。自分のしたい事はほぼここで完結します。また、01年からは神戸三宮にC.U.E.という名前のスタジオもあり、こちらでも同様の作業が可能です。また、こちらは気の合う人たちとの制作も行っています。とはいえ、最近はハードウェアを使わず、Powerbookのみでやる事も増えているのですが。
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Waldorfもそうなんですが、その前身の80年代後半に倒産してしまった PPGというメーカーが同じくドイツにあったんです。そのPPG社のWave シリーズに搭載されたシンセシスの方式がウェーブテーブルと呼ばれる方式です。自分はフレーズとかからではなく音色から音楽を作るので、時間的に豊かな変化が得られるシンセが好きなんです。あと、これらのメーカーはそもそも音楽的な音がするので好きという事もあります。
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ソロ活動
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ここ何年か、いわゆる打ち込みというものに興味が無いんですよ。予定調和な感じもしますし、同じような演奏をやっていても自分自身で飽きてくるという か。また音楽以外の分野の人とコラボレーションをやるようになってから、表現と いう事自体の共通言語が即興を通してのコンタクトだというか。音楽に関してもスタイルやジャンル、方法論とかは関係なくて、もっと自由に音を出し、表現すれば、という思いです。とはいえ、自分の場合はそれを電子楽器やコンピューター経由で行うわけなので、いかに肉体的、直接的でない方法で豊かな音の表情を見せるかというのがテーマです。これは昔から好きなCabaret Voltaireからも大きな影響がある部分なんですが。
今回のアルバム限らず最近の制作物は全部そうなのですが、MIDI音源での打ち込みみたいなことはしておらず、ほぼオーディオデータの切り貼りで音楽を作 っています。編集に気を使っている部分というのは、特にこれといって無いのですけど、コンピューターを使っているからといって、あまりあれこれやり直しをしないこということでしょうか。
――海外のミュージシャンとも交流が多い稲見さんですが、今回参加されたイタリア人ギタリスト、Luca Formentiniさんとはどうして一緒にすることになったのでしょう?
Lucaとは結構古くて、94年か95年に同じメーリングリストで知り合い、その後、97年リリースのこちらのコンピに参加してもらったり、僕がロンドンに行ったときに、たまたま同時期に彼もイタリアからロンドンに来ていて、そこで初めて会ったり、Lucaの友人で即興系のギタリスト、Roberto Zorzi(Henry Kaiserや元JapanのSteve Jansenとも共演、共作しています)の日本ツアーを僕がまとめたりなどなど、頻繁ではないのですが、何かのタイミングで連絡を取り合ってるんです。で、以前より何か一緒に出来たらと話していて、今回いい機会だったので参加してもらいました。また、04年9月リリースのC.U.E.からのコンピにも参加してもらっています。