【鈴木】当初はドラムマシンとシンセの80'sエレポップだったのですが、プロデューサーの掛川氏から「どうせやるなら、もっとチープなのはどう?」と意見をもらい、PSG4音アレンジとなりました。単純に当時チップチューンにはまっていたのでその影響がモロに出てます。サウンドの土台はファミリー・ベーシック(任天堂)を使って打ち込んでいますが、リズム関係やみちよのボーカル等はサンプリングしたものです。出来たものをタカシに聞かせると「音がツルツルしているからマイクでとってみようよ」と意見をもらい、ボーカルブースや隣の部屋に別々にスピーカをセッティングしてマイクを立てて録音しました。最初は「ノイズが増えてやだなぁ」と思ってましたけど、結果、丸くて良い音になったと思います。よく聞くと後ろで「ブーン」とハムが鳴ってます。
【渡部】というわけでこれは、サンプリングねたはありません、本物です。いったいなにの本物なのかは知りませんが(笑)。
――その6ヶ月後、12インチ音源と新曲を組み合わせたミニアルバム『POST PRODUCTION』(2003年)がリリースされるわけですが、12インチからの「Sunset Bicycle」は、イギリスのクラブ系音楽雑誌「mixmag」で「Single Of The Month」に選ばれているんですよね。日本語歌詞主体であるにも拘らず、OVERROCKETのサウンドというのは、国境がなく受け入れられるという事でかなり自信をつけられたのではないでしょうか? ちょっと変態っぽくなった「Beroshima Mix」もカッコいいですが、Beroshima(=フランク・ムラー)とはやはり石野卓球さん繋がりでリミックスをお願いされたのでしょうか?
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01. MIRAI
02. VOICE
03. WHITE NOISE
04. SUNSET BICYCLE
05. MIRROR
06. SUNSET BICYCLE BEROSHIMA MIX
07. TRICK
08. CHINA BLUE
09. THE LAST THING WE DO
【渡部】卓球氏と一緒にベルリンに行ったときに知り合いました。その後、フランク・ムラーの相棒のウーリッヒに、『PreEcho』を渡したところ、とても気に入ってくれて。ウーリッヒが自分のソロCDを持ってきてくれて、「このCD、お前の相棒に聞かせてやってくれ、絶対気に入るから。」といわれて、東京に戻って光人に聞かせたら、すごく気に入ってたんで、これはいいと思って、頼みました。