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ぶどう÷グレープ=名古屋発NW(2ページ目)

ぶどう÷グレープ=名古屋発のニューウェイヴ。元不良グループ。コケテッシュでひねくれもの。懐かしいけど新しくもある。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

O次郎のバケラッタ

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――その後、永井さんはHIDE & BILLYというユニットを経て、松井さんたちとバケラッタとして活動されるのですね。実は、バケラッタの『スペイン』(1997年)はちゃんと買った覚えがあります。「スペイン」ってずっと国名だと思っていのですが、よく見ると1曲目の「SUPER PAIN」とかけてあるのでしょうか? 深く考えすぎでしょうか?

おおっスバラシイ!ピンポーンっです。「スペイン」は「スーパーペイン」の略です。

――バケラッタって、おばけのQ太郎の弟であるO次郎のセリフですよね。「バケラッタ」としか喋らないのに意思の疎通ができる不思議なやつ。

形の無いものをバンド名にしたかった・・そんな記憶があります。

――アルバムにも収録されたXTC的ニューウェイヴな「Collection」は、4曲入りシングル『Collection』として同年にリリースされていますが、その訳は?

アルバム内の「VIVA TV」という曲が地元のFM局で頻繁に流れて、ちょっと売れるかなという感じだったので「VIVA」を加えた手頃なアイテムとして作られたんじゃないかな・・・実際、売れなかったけどさ。3曲目の「リュックサック」はライブでも人気のナンバーだったよ。アルバムに入れるべきだったな。

バケラッタ
――所謂、90年代後半というのは、日本でNEW WAVE OF NEW WAVEとかネオ・ニューウェイヴといった呼ばれ方をしたバンドが東京を中心に結構いましたが、その中でもバケラッタは名古屋という場所で、孤高のひねくれニューウェイヴって感じで。東京のシーンとは繋がっていたのでしょうか?

SKYFISHERの中山くんなんかはかなり早い時期にバケラをチェックしてくれて、いろんな人に宣伝してくれてたな。なので多少の繋がりは感じたし、偏屈ポップ愛好家の人達の嗅覚ってスゴイなあと今も感じます。

――セカンド・アルバム『フロイコ』(1998年)は、微妙なセクシー・ジャケですね(笑)。「風呂いこ」というタイトル曲があって安心しました(笑)。初期ニューウェイヴの香りがする中で、独特の詞の世界が構築されていますね。「エンピツさらさら」や「押入れ MAGIC」など。

セクシー(笑)は3体写ってるけど、一番右に消えかかってるのがいます。それはやめると決まっていたBILLYさんを表してます。これはゲロはきそうなくらい気合いいれて創りました! 最高傑作だと自負しています! 自分の育った家とそのまわり500メートル以内だけにテーマをしぼったコンセプトアルバムなんだ。

――『フロイコ』にはクレジットが無いのですが、メガネも素敵な女性メンバー、山田みどりさんが加入されたのはそれ以降なのですね。

そうです。みどりちゃんはアルバムのセッションには参加してない。でも、しっかり「風呂いこ」のビデオクリップにはキーボーディストとして写ってます。
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