テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーティスト・インタヴュー~Part 24 フィルムスの謎~赤城忠治さん(5ページ目)

伝説のテクノポップ・バンド、フィルムス(FILMS)を率いた日本屈指のメロディー・メイカー、赤城忠治さん、20年以上の歳月を経て、ついにソロ・アルバム『Blue Planet』がリリース!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

――やはり、本質的に生楽器への思い入れも強いみたいですが、最初にやり始めた楽器は?

中学一年の時にフォーク・ギターを買ってもらったんです。ロックは、大学に入ってからですね。

――ヴォーカルは、自然に回ってきたのですか?

不慮の事故がきっかけなんです。和製キッスのようなVAT 69というバンドをやっていて、ヴォーカルの人が火を吹いていたんですよ。火が戻ってきて、焼けて、高いブーツを履いていたんで、こけて骨折しちゃったんですよ。で、「忠治、やってみてくれ」という事で始めたんです。

――今後の活動予定は?

ライヴはやりたいですね。一番いい形でやる事を考えています。

(インタヴュー後記)
今回、初めて赤城さんとお会いして・・・
自分が赤城作品から抱いていたイメージどおりの赤城さんでした。自分の強い世界、つまり男のこだわりを持ちつつも、不思議なほど圧力がないやさしい表情の人でした。フィルムスの時代の赤城さんにお会いできていたらなと・・・タイム・スリップしたい、ちょっと残念な気もしました。

『Blue Planet』のライナーノーツ(?)では、今回のアルバムでも2曲でクレジットされている外間さんが、「すべては赤城忠治のせいだ」という感慨深い寄稿をされています。そして、外間さんも「赤城忠治被害者の会」の会員と自ら告白されていますが、僕もなんとか正会員に認定してもらえるのではと思っています。それから、この場を借りて、フィルムスのメンバーであった人に、「インタヴューをさせてください!」宣言をします。ぜひ、メールください(上の「問い合わせ」からメールできます)。

待望のソロ・アルバム『Blue Planet』を聴いて・・・
フィルムスとは、僕にとっての謎解きの対象。1997年から始めて、今もやっているわけですが、これで、少しだけだけど、謎が解けた。1980年の『MISPRINT』でデビューしたフィルムスと、1989年のクレバー・ラビットにあった謎。そして、現在の赤城忠治という人の謎。

アルバムのタイトル・チューンでもあるオープニングを飾る「Blue Planet」は、一番フィルムス的なファンタジー・ポップ。2曲目の「If I'm Snow, Fallin' Down」では、サイケデリック・ワールドへと突入。テルミンの発展系ともされる、もう一つの古典電波楽器、オンド・マルトノ(原田節さんによる演奏)が効果的で、レトロフューチャーな感性を伝えてくれる。当然、やの雪さんがテルミンで参加している「Frisbee」といった曲では、英国ポップの継承者なんだと納得させる。短いんだけど、涙を誘う、美しきメロディー曲「永遠に」で最後を飾る。

全体的に受ける印象・・・それは、解き放たれた気持ち。長く封印されたんですから。やはり、赤城さんは、僕のポップの師匠です。

最後に・・・
今回のインタヴューに至るまで、赤城さんとの仲介をして頂いた、フィルムス・ファン仲間の鯉登さんとテルミン・ウェ~ブの引田さんに感謝いたします。

まだ終わっていません、次のページではライヴなどの赤城忠治さんに関する最終情報を掲載!

【関連記事】
戸川京子さんが残した作品(映画『星くず兄弟の伝説』についてもふれいています)

【関連サイト】
FILMS = TECHNO MODERN POP!(僕が作った日本で唯一のフィルムス・ファン・サイト)
NEONTETRA(赤城さんも所属する手塚眞・公式サイト)
yano-yuki.com [テルミン奏者 やの雪]
テルミン・ウェーブ
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