――今回、ついに再発されたクレバー・ラビット(Clever Rabbit)のアルバム『Clever Rabbit』(1989年)〔ジャケ写は、オリジナルの缶入り盤〕ですが、フィルムスよりもイギリス的プログレ~モダンポップ度が高いアルバムですね。
まだ、近未来的なものを引きずりつつ、近未来に絞るとテーマとして限定されてしまうんです。第2期フィルムスの時代、僕は、もっと精神性の世界を歌にしたいという葛藤があったんですよ。目に見えない世界とか、人の生まれかわりとか、そういう事ばっかりを考えるようになっていたんです。第2期フィルムスからは、リリースはありませんでしたが、その延長線上ですね。
――平行して元PIN-UPSの江蔵浩一さんらと通称ベッチンこと、Velvets From The Lunaという幻のグラムロック・バンドもやってられましたね。
クレバーをやりつつ、ライヴでは、新たなグラムをやってみようかなと。江蔵君もグラムが好きでしたから。でも、結果的に古いグラムになってしまったので、僕がリリースを反対したのです。
――グラムと言えば、どんなバンドが好きだったのですか?
T-レックス、デヴィッド・ボウイ・・・ビル・ネルソンのビー・バップ・デラックスも好きで良く聴いていましたね。
――同じく、幻のLAMPという謎のグループを外間さん、中原さんの3人で組んでいたと聞きましたが、限定リリースのみですよね。
僕は、やはり基本的に他人の曲を歌えないのかもしれない。そういうのもあって、空中分解的になってしまったのです。
――99年10月29日、「DRIVE TO 2000」でフィルムス再結成ライヴが行われましたね。
サエキ(けんぞう)さんが再結成しないと言ってくれまして、「どうしようかな」と思ったんですが、「せっかくだから」と。で、他もメンバーも集まってくれて。
――当時の音を再現するのには苦労されたのではないでしょうか?
たまたま、岩崎君が当時の機材と持っていて、それで再現できたんです。みんなと話していると、基本的に80年代の音の作り方と変わらないと、言うのがありましたね。
――当時は、メンバーでなかった斉藤美和子さんも、参加されましたね。元々、フィルムスのファンだったとか。赤城さんも彼女のプロデュースをされたり、どのようなつながりで?
そうみたいですね。クレバー・ラビットを出す時に、彼女に仲人をやってもらってVIVIDさんと繋がりができたんです。その時、いろいろ話をして、プロデュースする事になったのです。彼女は、ポエム・リーディングの世界で頑張っているみたいです。