【エレクトロディスコ系】
エレクトロクラッシュの中には、80年代エレクトロをルーツにした「Blue Monday」方式のシークエンサー・ビート・ディスコや一部で再評価されているイタロディスコの様式を踏襲しているものも多いです。
『Tangent 2002: Disco Nouveau』(2002年)
Ghostly Internationalからの、数あるエレクトロクラッシュ系コンピの中でも完成度の高い選曲。エレクトロクラッシュという言葉はあえて使わず、ディスコヌーヴォー。ロボットディスコ炸裂! ADULT.、I-F、DMX Krewに混じってススム・ヨコタも。他のコンピとのかぶりの比較的少ないオリジナルな選曲。ライナーは、このムーヴメントについての鋭い洞察と各アーティストのプロフィールを掲載。読み物としても楽しめる。
『DIGITAL DISCO』(2002年)
Force Inc.というレーベルからの、タイトルから想像できるように80年代的エレクトロディスコ系。ニューウェイヴ度は希薄でかなりハウス寄りです。ハウスに詳しい人なら、また違う聴き方をするんでしょうね。出色はSylk 130 feat. TwylaによるNu Shoozの「I Can't Wait」のカヴァーとMetro Aeraの「Miura」、そしてスウェーデンのHakan Lidboのユニット、Data 80の「Love Was Made For Two」で、Daft Punkファンは即死。2003年には続編『DIGITAL DISCO 2』もリリース。
『A Touch Of Class Sucks!』(2004年)
A Touch Of Class (atoc)とは、NY出身のDomie Le TouchとOliver T. Classが立ち上げたエレクトロクラッシュ系のレーベル。1999年設立ですから、エレクトロクラッシュ以前ですけど。これがオフィシャル・レーベル・コンピレーションです。オリジナル・リミックス・ヴァージョンを主体とした、ディスコ度が高いエレクトロクラッシュ。1曲目のScissors Sistersの曲は、ダブ・ディスコ(オリジナルも収録)なんですが、ちょっと歌い方がビージーズっぽかったり、FGTHの「Relax」の引用があったり、変なテイストが美味しい。スーサイド直系のNYディスコパンク派のA.R.E. Weaponsのダブ・リミックス、イタロディスコ炸裂のThe Ones、DAF直系のハンマービート気味のA Touch Of Class(バンド名でもある)など、なかなか侮れない内容。アンダーグラウンド度も高い、エレクトロクラッシュ第2章となるか?
『GLOSS』(2004年)
代官山のおしゃれなレーベル、bonjour recordingsからリリースされた珍しい日本独自編集盤。コンセプトはエレクトロクラッシュと自らも名乗っていますが、Bob Sinclarから始まるエレクトロディスコ、Soulwax(2 many dj's)のリミックスに、Playgroup周辺のディスコパンク~ダブ・ディスコ満載のMUSIQUE NON-STOP。テイ・トウワなどをDJに迎えて、2月5日・6日には東京・大阪でイヴェントも開催されました。