一番多くの曲を手掛けた間宮工は、ライオンメリィのアルバム『ドンキホーテの従者』(1992年)とかにもギタリストとして参加しており、メトロファルス人脈とも繋がっている人みたいです。その辺の事情で名曲『君ヲ想フ』では、ライオンメリィのアコーディオンでの参加が実現したのでしょうかね。
ラスト曲『凛とする』を手掛けたエリック・ムーケは、エスニック・アンビエントテクノ系ユニット、Deep Forestのメンバーです。ファースト・アルバム時点ではベルギーのテクノポップ・トリオ、Telexのメンバーであったダン・ラックスマン(Dan Lacksman)が在籍していましたが、現在はミッシェル・サンチェーズ(Michel Sanchez)と二人です。
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アフリカ(ファースト)、東欧(セカンド)、中南米(サード)といった、エスニックなテーマを追求してきたDeep Forestですが、最新アルバム『Music Detected』では、アジアに向いています。元ちとせとアンジェラ・マクロスキーをフィーチャーした『Will You Be Ready』は、尺八から始まり、三弦(中国の三味線?)を多用したアンビエント民謡(元ちとせヴォーカルのパートは特に)と言いたくなる曲です。Deep Forestの二人は、「一瞬にしてその声に恋してしまった」との事。元ちとせは、世界に十分通用するかも。
ちなみに、セントラル楽器から、元ちとせが15歳の時のカセット『ひぎゃ女童』と17歳の時のCD『故郷・美ら・思い』という二つの音源がリリースされていますが、本土への出荷が7月12日に最後になり、奄美地方での地域限定商品となったようです。通信販売で買えますが、不思議な出来事です。
奄美大島は鹿児島県に属しているのに、オキナワンポップという括りで書いている事に抵抗を覚える方もおられるかもしれませんが、奄美大島を含めた奄美群島が1460年頃に琉球王朝に属していたとか、アメリカ軍により沖縄と共に戦後統治されていた時期もある歴史的背景からすると、地理的にも文化圏的にも奄美大島から与論島に至る奄美群島は、鹿児島よりも沖縄に近いと言えます。奄美島唄は、沖縄民謡の影響もあるようですが、三味線の使用などの共通点が多い奄美民謡と沖縄民謡の間には、音階的な違いがあるようです。
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