ABBAは、1974年にAgnetha、Björn、Benny、Anni-Fridの頭文字をとって改名されたスウェーデンの4人組。本当は、2番目のBはミラー・イメージで「山本山」状態なのですが…。ABBAと言えば、Snakeman Showの『ピテカントロプスの逆襲』の3曲目『ギャグ1』(下半身ネタ)で伊武雅刀が「I have ABBA.」と金髪女性(僕の想像かも)に答えるシーンを思い出します。そんなの思い出すのは、僕だけかもしれませんが。ここでのABBAの引用は、「実は好きなんだけど、レコードを持っていると公言するのはちょっと恥ずかしい」と言うものに対する一種のメタファーだと推測します。
1982年に活動停止したにもかかわらず、ヨーロッパ(アメリカではそれほどではない)では、90年代になっても、ベスト盤『ABBA GOLD』がベストセラーとなっています。日本でもこのドラマ主題歌と合わせて、特別編集された『S.O.S.~THE BEST OF ABBA』が、チャート上位をキープしています。
ABBAは、あまりヒップでないイメージがあるのですが、80年代以降のユーロ・ダンスの原型とも言えます。Human Leagueも、エレクトリックABBAと呼ばれたり、ABCのMartin FryもABBAに対する評価をしていたり、エレポップ系のアーティストとも関係があります。
それでは、ABBAのテクノなカヴァーを紹介します。
Erasure『ABBA-ESQUE』(1992年)
Erasureは、Depeche Mode→Yazoo→The Assemblyと渡り歩いたエレポップ一直線男Vince Clarkeが、ついに巡り合ったヴォーカリストAndy Bellと結成したエレポップ・デュオ。ABBAのファンを公言するAndyの念願がかないリリースした、このABBAのカヴァーが4曲収録されたマキシ・シングルは、Erasureのイギリスでの最大のヒットとなりました。彼らが、ABBA再評価の口火を点けたとも言っても、過言で無いでしょう。収録の『Take A Chance On Me』は、元々エレポップ的下地(変な表現)があり、納得いく選択。リミックス・ヴァージョン『ABBA-ESQUE』もあります。
面白い所では、ABBAESQUE(ABBAっぽい)バンドである、オーストラリアのメルボルン出身のBjörn Againは、Erasureのカヴァー『A Little Respect』と『Stop』を含んだシングル『ERASURE-ISH』(1992年作)でデビューをし、イギリスで小ヒットしました。