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読書のススメ~Part I 『歌姫2001』を読もう!

サブカル系雑誌『QUICK JAPAN』(通称QJ)のサラリーマン兼業音楽ライターである、松本亀吉著の単行本『歌姫2001』が2000年11月に発売されました。独自のテイストで選ばれた100人の歌姫達のレコード批評。いや、批評と言うより、著者が有する人一倍強いリビドー(=性的欲求)のはけ口が文章となった魂の叫び。選ばれた歌姫の中にはきっと迷惑している人もいるでしょうが、彼女達の寛容性を試すにはいい機会です。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

松本亀吉なる人は、下品な(著者の弁)ミニコミ誌『溺死ジャーナル』の発行人を経て、QJや『週刊宝石』でのライターとして活動する。早くからモーニング娘。を評価していた事を自慢されているようです。最近では、QJの椎名林檎(が本誌に電話をかけてきた!)特集での矢井田瞳に関する問題発言が物議をかもす。著者のサイトは亀吉の掲示板です。

さて、『歌姫2001』に話を戻します。著者も自ら反省の弁を述べているが、いわゆる音楽ライター講座に行けば落第の文章かもしれない。『こんなの書いちゃっていいの?』的内容も多い。しかし、面白い。バカな友達としょうもない話で盛り上がって、脳みそが腐りそうになる快感がある。著者を個人的に知るわけでないが、憎めない。

選ばれた100人の歌姫の中には、とても名の知れた歌姫もいますが、渋い愛すべきマイナー系を選んでいるあたり、偶然とも言いがたい共感を覚えます。全然、このページのテーマと合致しないようですが、そんなことありません。次のような歌姫を取り上げています(以下解説つき)。

yes, mama ok?
著者はヴォーカルの中澤真萠に注目。『ラジオスターの悲劇』や(アヴァンギャルドな)『春咲小紅』をカヴァーしていました。

岡崎葉
『DAMAGE』は元Filmsの岩崎工が作曲・編曲でサポートしたウィスパー・ヴォイスを生かした無国籍ポップなアルバム。

桐島かれん
第2期Sadistic Mika Bandのヴォーカリスト。近田春夫プロデュースの『ディスコ桐島』が紹介されていますが、高橋幸宏、鈴木慶一等がプロデュースした『Karen』もお勧めです。

Quliar
Urban Danceの成田忍や遊佐未森のプロデューサーとして知られる外間隆史もサポートした。ribbonやCoCoほど売れなかった乙女塾出身。

Cosmic Invention
中学生YMOコピー・テクノポップ・バンド。森岡みまは後に七福神で活動、井上ヨシマサは歌謡曲畑の作曲家として成功。

宍戸留美
20世紀最後のテクノ歌謡アイドル。現在はインディー・アイドル兼アニメ声優(おじゃ魔女ドレミ)。

ハイポジ
もともとは京浜兄弟社系。セクシー路線からテクノポップ路線へと。

早瀬優香子
最近、ネット上で超話題のカヒミ・カリーもリスペクトする元祖フレンチ・ウィスパー系。早瀬優香子復活委員会も発足したので、新作に期待しましょう!

深津絵里
『愛はすてき・愛は花束』に対する著者の発言の中に「Dial M、OMD、Blacmangeのような古き良きエレポップ」の形容があります。しかし、Dial Mなんて知っている著者は侮れない。

細川ふみえ
『テクノだったらあげてもいい。』と言い放った(単なるCDのコピーです)フーミンです。

三田あいり
プロミスでおなじみの姫です。ドラムン・ベース歌謡やっていましたが、最近プロミス人気もありミニ・アルバム『MIDNIGHT BLUE』をリリース。

ロビン
『ジェニーはご機嫌ななめ』のカヴァーしていたロリータ・ゴスプレ姫。

渡辺美奈代
裏Moonriders的な2枚のアルバムは、持っていて損はないです。

と言う事で、第2弾も期待しています。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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