ソウル・ファンが永遠に追い続けてしまう魅惑の“再発盤”シリーズ。毎回クオリティが向上するデジタル・リマスターについつい手を出し、いったい同じタイトルを何枚持てば気が済むのだろうと、自己嫌悪に陥る。さらに止めを刺すのが「デジタル・リマスター化!しかも限定プレスの紙ジャケット仕様!」の登場にはさすがに冷静さを失う。アナログの喜びを知ってしまった世代にとっては、“LPジャケット”を彷彿させるあの薄さ、コレクター心をくすぐる“シリーズ”ものなど、ニクイ演出にまたしても大金を投じるのだ――。
そこで!今回は限定販売が謳い文句「紙ジャケット」作品のなかでも「シリーズ」として発売されているマスト音源をご紹介いたしましょう!もちろん限定盤ですので、既に取扱いが終了しちゃったアイテムもあるとは思いますが、ソウル・ファンなら即買いですよ!
では作品をご紹介するまえに、再発盤に関する“プチマメ知識”情報も載せつつ…。
【基本知識】 紙ジャケット盤とは
そもそもアナログ時代に終止符が打たれ、デジタル時代が到来。レコードからCDへと、時代と共に新たな音楽パッケージが誕生した。よりコンパクトで持ち運びが便利となるジュエルケースの普及により、現在に至るまで一般的なパッケージとして定着している。しかし、アナログの素晴らしさを知る世代にはなんとも物足りなさがあり、そこで誕生したのが「紙ジャケット」盤。中身はデジタル化してしまったCDながらも外見はLPを彷彿させたいがため、4分の1サイズのLP盤を作ってしまったという訳です。紙ジャケットに挟まれたビニール入りCDや、CDトレーにそのまま紙ジャケットが付いてるヴァージョン、さらには3面折の紙ジャケット仕様などが続々と登場し、アナログ・ファンの心に刺さりまくることとなる。
収納スペースが3分の1に!大ヒット商品! |
ちなみに紙ジャケット盤は94年頃?ビクターから発売されたSonny Rollinsの作品が最初であるとレーベルサイドから聞いたような…。
【基本知識】リマスターとは
「リマスター」とはオリジナル・マスターテープをCD製作用のマスターテープに作り直した事を指します。アナログ録音をそのまま用いた音源では質も落ちてしまうので、デジタルの世界から雑音を抜いたり、こもっている箇所をクリアに作り変えてあげるなど多種多様に。意外とアナログ音源の方がリアルな時代を感じることができるので、個人的にはそのままの方が…。とはいえ、「20ビット」から現在は「24ビット」のリマスターで再度ソウルの名作(モータウン系が多し)が続々再発されているし、リマスターごとに爆発的ヒットを飛ばすということは、一般的にリマスター需要が高いと言うことなのでしょう。また、リマスター盤にも段階があり、輸入盤の名作系の裏ジャケなどを見ていただくと、3文字コードが付いているものがあります。これは【SPARS-Code】といって(The Society of Professional Audio Recording Studios)の略であり、どのリマスター状態かを示すもの。(たまに見ますよね!)ここで示す「A」とはアナログ、「D」はデジタルであり、見方は左から見ていきます。
【A】アナログ録音を【A】アナログ調整した【A】アナログ音源
【A】アナログ録音を【A】アナログ調整した【D】デジタル音源
【A】アナログ録音を【D】デジタル編集した【D】デジタル音源
【D】デジタル録音を【D】デジタル編集した【D】デジタル音源
現在はほぼ【ADD】になっている商品が多いですが、“リマスター”されたソウル・クラシックスを探索する際は、こんな所もチェックしたうえで聴き比べてみるのもいいですよ!