デスティニーズ・チャイルドの解散により、一時代を築いた女性ヴォーカル・グループに終止符が打たれた。そこで!女性ヴォーカルのルーツを時代背景とともに徹底検証!
21世紀最強のグループ、デスティニーズ・チャイルドの解散
2005年の最後のワールド・ツアーにてアトランタで行われた「伝説」のコンサートがDVDとして発売!90分にも及ぶライヴの全内容はもちろんのこと、貴重なインタビューなども収録。 国内盤はリミックスCD付き |
「無敵」の称号と引き換えに彼女らが導いた女性ヴォーカル・グループの未来図はあまりにもかけ離れた世界観であるがゆえ、ヴォーカル・グループの消滅を意味した瞬間でもあったのだ。
ここからは女性ヴォーカル・グループのルーツをご紹介。ヴォーカル・グループの誕生から現代まで、あらゆる要素と時代背景をもとに誕生した代表グループに触れてみます!
女性ヴォーカル・グループのルーツは何処から?
1930年代に誕生したジャズ系コーラス・グループの源流“The Mills Brothers”と、スウィング系バラードを主体とした“The Ink Spots”がコーラス・グループの源といえる。そして、ここから重なり合い誕生していく新たなヴォーカル・スタイルが繁栄したのが50年代のドゥーワップ・コーラスだ。The Driftersをはじめ、The Oriolesなど、2大源流の遺伝子を汲んだグループ達が見事開花することとなる。現代のR&Bグループに見られるスタイルが築かれたのがその後の60年代。ゴスペルの源流が混じり込み誕生したのがソウル・コーラスの世界だ。そしてこの世代から、かつて見ることのなかった女性ヴォーカルを起用した新たなヴォーカル・スタイルが始まるのである。まさにThe Plattersの誕生が女性ヴォーカル・グループの世界を切り開くことに。
Dow Wop界の最高峰です |
55年の永遠不滅の名曲「Only You」そして58年に世界的ヒットとなった「Twilight Time」を誕生させ、今までのDow Wopとはまたベースが異なるゴスペルのコール・アンド・レスポンスをスタイル化した先駆者。あらゆるボーカル・グループもこのスタイルを取り入れるなど、世界中で絶大な人気を誇った歴史的なグループである。また女性コーラス・ブームの火付け役でもある。
女性リード・ヴォーカル&女性ヴォーカル・グループの誕生
The Plattersの飛躍により注目を集めた紅一点の存在。60年代の突入と同時に女性ヴォーカルがリードを務めるスタイルが流行していくと同時に、遂に女性ヴォーカル・グループが誕生することとなる。ゴスペル界でも有名な彼女 |
プラターズの飛躍により注目され始めた紅一点、女性ヴォーカルの存在。そしてその扉を開いたグループがこのGladys Knight & The Pipsだ。61年の「Every Beat Of My Heart」のヒット後、モータウンへ移籍。コーラス・グループにさらなる革命を与えた。
ソウル界の新たな幕開け |
シュレルズと共に女性ヴォーカル・グループの先駆者となったシャンテルズ。まさに後のダイアナ・ロスなどを送り出す地盤を固めたアイドル的な代表グループ。ゴスペル要素を充分に含み、「Maybe」「Prayee」など女性ならではの新たなコーラス・ワークを披露。
「モータウン」を筆頭に女性ヴォーカル・グループが飛躍した70年代
The Platters、Gladys Knight & The Pipsを皮切りに、「モータウン」を筆頭とした60年~70年代の女性ヴォーカル・グループが世界中で飛躍。ダイアナ・ロス天性の歌声 |
モータウンを支えた4大グループのひとつであり、59年にテンプテーションズの妹分として結成されたプライメッツが彼女らの前身。ダイアナ・ロスをリード・ヴォーカルに「愛はどこへ行ったの」などの全米No.1ヒットを記録。
これぞモータウンな音楽 |
グラディス・ホーガンのパンチあるリード・ヴォーカルに酔いしれた「Please Mister Postman」を代表に、モータウン・ガールズ・グループの最高峰であり、もっともソウルフルなグループとして有名。
H/D/Hの代表サウンド満載 |
シュプリームスをはじめ、H/D/Hが手掛けたモータウンのガールズ・グループの中では最も力強いヴォーカル・センスとビートが有名なグループである。代表曲でいえば「Heat Wave」などが大ヒットしている。
女版ジャクソン5ですよ |
73年~74年頃録音されたカリフォルニア産レア・グルーヴの代表グループ。女の子版ジャクソン5の異名を持ち、現在のアシッド・ジャズにも通じるポップ・チューンは今聴いても絶品ものです。
80年代はまさにファンク/ディスコ・サウンドの全盛期。大型バンドが数々登場し、男女混合グループが活躍していくこととなる。また女性ヴォーカル・グループからはダイアナ・ロスをはじめとするグループからソロへの転向も目立ち、次世代R&Bグループ誕生までの充電期間ともいえる時代である。