UKのロックバンド、The Script。イギリスではデビューアルバムがすでにチャートのトップを獲得していて、世界的に話題を呼んでいる大型新人バンドだ。今回は、すでに日本でのお披露目ライヴも成功させ、ついに国内でもデビューアルバムが発売されたThe Scrptを紹介しよう。
UKチャート初登場1位の大型新人
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The Scriptはアイルランドのダブリン出身の3人組。キーボード、ギター、ドラムの変則トリオ構成だ |
The Scriptのメンバーは、キーボード/ヴォーカルのダニエル・オドナヒュー、ギター/ヴォーカルのマーク・シーハン、そしてドラム/ヴォーカルのグレン・パワーの3人で、いずれもアイルランドのダブリン出身だ。そう言われると、U2のように地元のダブリンに根ざしたロックバンドを想像するかもしれない。しかしThe Scriptのメンバーの経歴はそれとはちょっと違う。ダニエルとマークはこのバンドを結成するより前に、アメリカでプロデューサー/ソングライターのチームとして活動していた。それはモダンR&B界の伝説的存在、ダラス・オースティンやテディ・ライリーなどにその才能を高く評価されたことがきっかけだったという。そこにドラマーのグレンが加わって、The Scriptというバンドが結成された。
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The Scriptのメンバー3人はそれぞれ多彩な音楽の影響を受けている(photo by Yoshika Horita) |
各メンバーの音楽的な背景も面白い。ダニエルとグレンは、ともに父親がミュージシャン。だから幼少の頃から音楽が身近にあったようで、家族の影響も受けつつ、ロック、レゲエ、オールディーズなど実に様々な音楽を吸収してきている。8月に来日した彼らに直接音楽的背景を聞いてみたところ、ダニエルはボーイズIIメンやスティーヴィ・ワンダー、グレンはデイヴ・ウェックル(チック・コリア・エレクトリックバンドなどの活動が有名なジャズ系ドラマー)やポリスのスチュワート・コープランドに大きく影響を受けたと話してくれた。この二人と対照的なのがギタリストのマークで、彼はR&Bやヒップホップの強い影響を受けているという。これだけを見ても、The Scriptがとても幅広い音楽の要素を持っているバンドであることがうかがえる。
The Scriptはデビュー前にすでにUKツアーを成功させているし、グラストンベリーなどのフェス、そしてレニー・クラヴィッツやアラニス・モリセットとのジョイント・ライブでもその実力を見せつけた。そして8月にイギリスで発売されたデビューアルバムは、発売直後にチャートを制覇し、上位をキープし続けている。そのデビューアルバム『The Script』は、日本でもこの10月に発売された。