70~80年代ハードロックの雄、ヴァン・ヘイレンとフォリナー
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意味深なイラストが印象的だったヴァン・ヘイレンの大ヒットアルバム『1984』 |
今年4月に発売されたのが、ヴァン・ヘイレンの初期6作。激しく歪んだ独特のギターサウンドの切り裂くようなリフで大ヒットした「ユー・リアリー・ガット・ミー」、超高速のライトハンドで世界中のギタリストの度肝を抜いた「暗闇の爆撃」などを収録した衝撃のデビュー作『炎の導火線』から、へヴィな「ミーン・ストリート」で始まる『戒厳令』、テクニカルな「大聖堂」でギターキッズをとりこにした『ダイヴァー・ダウン』、「ジャンプ」、「パナマ」などヒット曲満載の『1984』まで、聴きごたえある作品ばかり。いずれも2001年にリマスターされている。
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300万枚を売ったフォリナーのデビューアルバム『栄光の旅立ち』 |
そして一足先に、昨年紙ジャケで復刻されていたのがフォリナー。こちらは「衝撃のファーストタイム」や「つめたいお前」を含む大ヒットデビュー作『栄光の旅立ち』、日本でも「蒼い朝」や「ホット・ブラッディッド」がヒットした『ダブル・ヴィジョン』、「アージェント」や「ガール・ライク・ユー」のヒットで10週連続全米1位を記録した『4』、さらには1982年のベスト盤『ベスト・オブ・フォリナー』などの7作品。その多くは2002年のリマスター音源を採用している。フォリナーは80年代以降、次々にメンバーが脱退してサウンドも変わっていくのだが、その過渡期に至るまでの、プログレとハードロックを融合させたフォリナーらしいサウンドが収められた名盤たちというわけだ。デモバージョンやライヴバージョンがボーナストラックとして追加されている作品も多いのがうれしいところだ。
ヴァン・ヘイレンの場合は、デビュー作のジャケットはメンバー4人の写真、2ndは大きなロゴのみ、『ダイヴァー・ダウン』にいたっては赤い地に太い斜めの白いラインという、どこかの国旗のようなシンプルなデザイン。あまりカバーアートには凝っていないものが多いのだが、それでも『戒厳令』や『1984』のイラストの質感は、やはり紙ジャケになると引き立つ。フォリナーのほうはどれも幻想的な写真や絵画調のイラストを使っているから、紙ジャケになるとより愛着がわくことだろう。
ちなみにこの両者はどちらもワーナーミュージックジャパンの“紙ジャケットコレクション”という一連のシリーズで再発されたもので、オリジナルのジャケットやそれについていた帯が復刻されているだけでなく、CDのディスク面には、レコード盤面にあったレーベルも再現されている。