2000年代の1曲 「骨だけになって」
■ マチルダ ロドリゲス 「骨だけになって」 作詞/作曲:玉城宏志マチルダ ロドリゲス 『ホテルぱらいそ』 「娑羅(さら)」、「涅槃」、「天国」など死生観を感じさせる単語がカギとなる全12曲収録。聴き応えのあるアルバムです |
「骨だけになって」は京都が誇る伝説のROCKバンド「ローザ ルクセンブルク」のギタリストだった玉城宏志(たまき ひろし)が、ローザの2枚看板だった盟友で2000年1月に他界したヴォーカリストどんとの事を歌った曲です。
どんとの急逝は、ローザ解散時にあったわだかまりも消えた2人が何か一緒にやるかもしれないという噂もあった頃でしたので、ひどく悲しい上、とても残念でなりませんでした。
一緒に笑ったり、一緒に歌ったりしてきた友人を「最後に見たのは骨だけ」と淡々と歌うこの曲は、その分ギターがエモーショナル。押し殺していた悲しみを 堪えきれずに解き放つ、嗚咽のようなソロにふと「ヒッピーに捧ぐ」の清志郎の絶唱がだぶりました。
この曲を収録した 『ホテルぱらいそ』 は“生涯一ギタリスト”を標榜し、ヴォーカリストを探し続けて十数余年の玉城宏志がフルで歌う2nd.アルバム。ワガママに生きてきた中年男が最後に大切な人に残す言葉のような「幸福論Z」が「骨だけになって」と対になって響く。これから(ずっと)生きていく者の決意を感じさせ、何度聴いてもグッときてしまいます。
この人はヴォーカリストとしても類い希な味を持っているので、もっともっと歌って欲しい。そう思っているのは筆者だけではないはずです。
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