今回は逆転されてしまったCDシングルの側に立った記事を、弱者の味方(ホントかよ)J-POPガイドがお届けします。
CDシングルの登場
audio-technica CDシングルアダプター AT6621 |
久保田利伸の 『You were mine』 やREBECCAの 『MOON』、長渕剛の 『乾杯』 といった数アイテムがCDシングル用のアダプター※と共に、仮設のスタンド什器に並べられていた様子を憶えています。
※CDシングル用のアダプター
当時は8cmCDに対応したプレーヤーがまだ無く、アダプターを付けアルバムと同じ大きさの12cmにしないと再生出来なかった。ちなみにこのアダプター、1つ\300位でした。
8cmCDには、入れようと思えば20分程度の曲が入れられると聞いた筆者は、1曲500円(2曲入り1000円が主流)だし、なんだかMOTTAINAI!メディアだなぁと思ったものです。
8cmから12cmのMaxi Singleへ
そしてそれから10年後の1998年。この辺りからシングルは徐々に8cm短冊形から12cmのMaxi盤へ移行していきます。それまでも12cmのシングルというものはありましたが、「曲数の少ないミニ・アルバム」、「12inchのアナログ・シングルをCD化したもの」というニュアンスが強かったのです。スガ シカオ 『あまい果実』(12cm盤) 同時発売の 8cm盤はBacking Track(カラオケ)が未収録で、100円安。 |
他のアーティストでも初回盤のみ12cm盤で通常盤が8cmになる(又はその逆)パターン等があったりして、販売する側も買う側も混乱したりしましたっけ。
そしてそこから約10年が経った2007年。世の中は「CDシングルはもう終わり」という雰囲気になりつつあるようです。しかしそれには私、「ちょっと待った!」と申し上げたい。
音楽配信で手に入れられないもの
スガ シカオ 『Sugarless』 シングルのカップリング曲を集めた編集盤。「夜空ノムコウ」のセルフカヴァーを収録しているにもかかわらず派手にならず、煮え切らないムードすら立ち上る辺りがサスガ、スガ シカオ。 |
筆者が残念に思う事のひとつは、シングルのB面ならではの曲の居場所が無くなってしまう事。もうひとつはクレジット情報を読む事による新しい出会いのきっかけが無くなってしまう事。
前者は、アルバムの中の(言葉は悪いが)「捨て曲」ともまた違う楽曲。以前ガイドメールマガジンでも書いたような魅力を持った楽曲に出会う機会が無くなってしまうのは本当に惜しい事です。
そして後者は文字情報で出会う音楽(と、その周辺)。ブックレットに掲載されている文字情報は参加ミュージシャンやプロデューサー情報、写真を撮ったカメラマンやヘアメイクを担当した人の名前まで、インターネットのリンク集のように新しい音楽との出会いや発見のきっかけに満ちあふれているのです。
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