炎のような未発表LIVE収録!
探す価値ある箱、サンハウスBOX
鮎川誠 『'60sロック自伝』 鮎川誠が自らの歴史を織り交ぜつつ、60年代ロックを愛情豊かに語った1冊 |
1998年9月23日発売 3CD+1VHS ¥6,000(税込)
鮎川誠がSHEENA & THE ROKKETS以前に在籍していたバンド、サンハウス。バンド存命中に、その活動に見合った評価が全くなされなかったという点でSUGAR BABEと肩を並べるグループです。
『ROCKIN' BLUES ~』はLIVEを含む4枚のアルバム(『有頂天』、『仁輪加』、『Drive』、『ストリート・ノイズ』)全曲とそこに未収録のシングル、さらに未発表だったLIVE音源を収録したもの。1998年発売ということもあり映像特典はDVDではなくVHS、入手も既に困難になっているようですが、1974年京都拾得での炎のようなLIVEを聴く為だけにでも探す価値があるハコです。
直系の血をひくロック・バンド、THE ROOSTERSの評価がなされた今、次に聴かれるべきグループはサンハウスであると断言出来ます。オリジナル・アルバムでさえ買いにくい状況になっているので、アーカイブスを見直した完璧なBOX SETの登場を期待したいところです。
【関連リンク】
- RokketWEB
鮎川誠氏自らが手がけるSHEENA & THE ROKKETSオフィシャル・サイト。このサイトの立ち上げまでの楽しい悪戦苦闘が著書『DOS/Vブルース』で読めます。
この2曲に大枚出せますか?!
ファンとマニアを分かつ、ムーンライダーズの1箱
■ 第5位 ムーンライダーズ 『1976-1981ムーンライダーズ・コンプリート・コレクション』1996年12月18日発売 7CD ¥8,665(税込)
『アンソロジー 1976-1996』 彼らの20年を2枚のCDに凝縮したベスト盤。左記のシングル・ヴァージョン2曲もフォロー出来ます。ジャケットは「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインで知られる貞本義行(実はムーンライダーズ・ファン)によるもの |
ここで注目したいのはディスク7、いわゆるレア・トラック集の中の2曲、「ヴィデオ・ボーイ(アコースティック・ヴァージョン)」と「地下水道(カナル・ダブ)」です。
前者は4作目『MODERN MUSIC』に収録の名曲をリアレンジしたもの。テクノロジーを積極的に導入しはじめていた彼らの最初のモニュメントと言えるヴァージョンです。
後者は1980年の5作目『カメラ=万年筆』のリード曲「彼女について知っている二,三の事柄」、のダブ・ヴァージョン。当時日本のロック・バンドにとって「ダブ」という手法は、THE CLASHを筆頭とするPUNK/NEW WAVE勢を経由して入ってきた先鋭的なもので、とても刺激的なものでした。アナーキーがアルバム『亜無亜危異都市』で取り入れたりしていましたっけ。
2曲共、シングルEPレコードのB面に収録されていたもの。CDとしてはこのハコでしか聴く事が出来ない貴重なヴァージョンです。ムーンライダーズの1st.アルバムだと誤解されやすい鈴木慶一のソロ・アルバム『火の玉ボーイ』(リンク先は最新マスタリング盤)がディスク6になっているのも良いですな。
しかし、2曲のシングル・ヴァージョン(「ジェラシー」と「ヴァージニティ」)が漏れている等、ここまでやっておきながら惜しい!という面も無きにしもあらず。オリジナル・アルバムを全作持っていたとして、前述のレア・トラック2曲の為だけに大枚をはたく事が出来るか否かは…あなた次第、という感じでしょうか。
30周年という事もありますし、こちらも仕切り直しのBOX SETを期待したいところで御座います。
【All About 関連リンク】
- All About テクノポップ 湾岸的Moonriders系
テクノポップ・ガイド四方宏明氏によるムーンライダーズ関連リンク集。濃いです。
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