TV、ラジオ、雑誌記事や店頭試聴コーナーなどで見かけるジャズ新譜。気になってもついつい聞きのがしていませんか? ちょっと気になるジャズ新譜情報をシリーズで紹介。ジャズ界の新しい胎動を見逃すな!
今回はスウィングジャーナルゴールドディスク受賞、大物新人トロンボーン、トミー(Tommy;冨岡毅志)のメジャーデビューアルバム『ファイブ・スポット・アフター・ダーク・トミー・イン・ニューヨーク 』をレビュー!
関西の大物ミュージシャン、満を持してメジャーシーンへ
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tommy『ファイブ・スポット・アフター・ダーク・トミー・イン・ニューヨーク 』 京都を地盤に堅実な活動を続けてきた正統派トロンボーニスト、Tommyが、満を持してメジャーデビュー。ウィントン・マルサリスバンドなどで活躍したワイクリフ・ゴードンとの2トロンボーンや、アート・ペッパーなどとも共演したジョージ・ケイブルスをピアノに迎えるなど、実に豪華な布陣。
1.Spiciana
2.Five Spot After Dark
3.深海魚の夢
4.My Funny Valentine
5.川崎リターン・ブルース
6.Body and Soul
7.Barefoot Neighborhood
8.The Shadow of Your Smile
9.A Change Is Gonna Come
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ジャズを好んで聴く人でも、トロンボーンを好んで聴く人は少数派だろう。J.J.ジョンソン、カーティス・フラー、フレッド・ウェイズリーなど、名人の名は挙げられるけれど、無名のミュージシャンのライブをふらっと・・・というときにトロンボーンは選ばれにくい。どうしても、ピアノ、サックスなどの後塵を拝してしまう。中には、トロンボーンがリーダーのコンボのライブを見たことがない、という人さえいるだろう。
2007年12月に発表されたtommy『ファイブ・スポット・アフター・ダーク・トミー・イン・ニューヨーク 』は、トロンボーンファンはもちろん、そうした、普段トロンボーンという楽器になじみのない人にぜひ手にとってほしい一枚だ。
Tommyは1963年兵庫県生まれのトロンボーンプレイヤー。13歳のときにマイルス・ディヴィスのラウンド・ミッドナイトに天啓を受け、ジャズの世界にのめりこんだ。
20歳のときに京都府立大学ジャズ研で模擬店「Tommy's Bar」を立ち上げ、演奏活動を行う(この企画は今も後の世代に引き継がれ、行われ続けている)。大学卒業後は、関西ジャズ界のドン、市川修のジャムセッションなどに参加し腕を磨きつつ、プロへの道を歩むことになった。
この機会に、関西を中心に活動を続けてきたTommyというミュージシャンが持つ、半端じゃない力量を日本全国、いや、世界に知ってほしいと思う。
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