ボサノヴァが持つ「歌」の魅力
ジャズボーカルももちろん魅力的ですが、ボサノヴァにおいて歌は主役。前述のジョアン・ジルベルトやエリス・レッジーナはもちろんのこと、多くの優れた歌い手がボサノヴァの世界にはいます。ここではこの夏体験してほしい、3人の歌姫を紹介しましょう。■小野リサ『ボッサ・カリオカ』
小野リサ『ボッサ・カリオカ』 98年作品。パウロ・ジルベルトほか、現地ミュージシャンを従えての録音。小野リサはブラジルでの活躍から日本デビューにつながった「逆輸入」歌手の一人。本作は、ストレートにボサノヴァを歌った、好感のもてる作品。 |
本作は98年リリースのものでパウロ・ジルベルト、ヴィニシウス・モライスなど、現地の実力派ミュージシャンを従えての録音。非常にストレートで素直なボサノヴァを聞くことができる。
■カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ『ドミンゴ』
カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ『ドミンゴ』 67年作品。ジョアン・ジルベルトを師と仰いだカエターノ・ヴェローゾが、当時人気絶頂の歌姫、ガル・コスタとともに収録したデュエット。極端に切り詰められた音の世界が展開された名盤。 |
とはいえ、本作の段階では完全なボサノヴァ。極端に音数の切り詰められた静謐な世界は高い完成度を誇っており、ボサノヴァの完成形であり、終焉をつげる一作とも言われている。(そういう意味では、ロックにおけるイーグルス『ホテル・カリフォルニア』的な位置づけがあるかもしれない)
■青木カナ『帰ろうかな』
青木カナ『帰ろうかな』 2004年作品。ブラジルに渡った青木カナが、通貨下落によって帰国できなかったというエピソードに由来している。マスターカードのCMソングとして流れ、話題となった。 |
マキシシングルだが、表題曲『帰ろうかな』だけでも、一聴の価値あり。ただ、デートの終盤にかけてしまうと、相手に帰られてしまうかもしれませんが。
今回のガイド記事はいかがだったでしょうか? 次回も乞うご期待!