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世界遺産の知床・羅臼で鯨ウオッチング(2ページ目)

森のイメージが強い知床ですが、実は海域も世界遺産に登録されているのをご存知ですか? 知床半島の東・羅臼町では、マッコウクジラを高い確率で確認できる穴場。羅臼の海から知床の豊かさを体感してみませんか。

執筆者:小西 由稀

一度は間近で見てみたい!
豊かな海の象徴・マッコウクジラ

知床半島の東、水平線に国後島をくっきり望む羅臼(らうす)町は、北海道有数の好漁場。一時期よりも漁獲数は減っているものの、ホッケやウニ、昆布、サケ、幻の鮭児など魚種が多いのが特徴です。というのも、暖流と寒流がぶつかる根室海峡は動物プランクトンが豊富。さらに、流氷と森がもたらす植物プランクトンは、海と陸の生態系を支える始点になっています。

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▲オジロワシ。写真提供/知床ネイチャークルーズ
この海を目指し、流氷時期には2000羽近くのオオワシ、オジロワシが訪れ、世界一の越冬地にもなっています。そして、夏にはクジラやイルカも現れるといいます。特に南の海の印象が強いマッコウクジラが、北の海でも見られるとは驚きです! 


「北海道でマッコウクジラに出会えるのはここだけです。8月~9月は、高い確率でマッコウクジラを見ることが可能です。昨年の例では、1頭も見られなかったのはわずか6日間だけ」とは、『知床ネイチャークルーズ』の長谷川正人キャプテン。知床の景観を鑑賞する従来の観光クルーズとは違い、羅臼を基点に船を使ったエコツーリズムを目指しています。クジラウオッチングはその代表的なメニューであり、豊かな羅臼の海の象徴でもあります。
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▲マッコウクジラ。写真提供/知床ネイチャークルーズ

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▲キャプテンの長谷川さん(左)とガイドの佐藤さん
ところで、いくら歯のある動物の中で世界最大とはいえ、広すぎる海の上でマッコウクジラを見つけるのは難しそう…。

「うちには長年、海洋動物を研究しているスタッフが乗船しています。遥か遠くにいるクジラをすぐに見つける達人。だからこそ、高確率で見ることができ、可能な限り近づくことができるんです」。

なるほど! クジラを見つける技量も大切なワケなんですね。ちなみに、長谷川さんは3年前まで漁船に乗っていた、漁師の四代目。知床を知り尽くした海のベテラン、操船の技術も言わずもがな、です。

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▲マッコウクジラの潮吹き。写真提供/知床ネイチャークルーズ
「マッコウクジラの尾を持ち上げるパフォーマンスは、迫力があるどころではないですよ! ブロー(潮吹き)の音が聞こえるくらい側に、船を近づけることもあります」。おー、それはぜひ一度見てみたい!聞いてみたい! 東京から羅臼までは、中標津空港を利用して片道約3時間。それでこんなに素晴らしい海の世界に触れられるとあって、プロの動物カメラマンが多く利用するという話も頷けます。


もう1つのおすすめコースと、申し込み方法については次のページでお伝えします。
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