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ドバイで大金星、ステイゴールド

シルバー好きだとばかり思われていたステイゴールドがやってくれました。ドバイ・シーマクラッシックで優勝!ユタカ・マジックがあったとはいえ、これはシドニーの高橋尚子級の快挙です。

執筆者:十時 龍一

「日本の競馬に新たな歴史を刻んだといえます」武豊騎手は胸をはってインタビューに答えた。3月24日、ドバイのナドアルシバ競馬場で争われたシーマクラッシックG2(芝2400m)でステイゴールドが大偉業を成し遂げた。すでにご存じの方も多数いらっしゃることだろうが、ここでもう一度、その栄誉を讃えたいと思う。

今年で第6回目を迎えるドバイ・ワールドカップ・デーは、もともとドバイのモハメド殿下が、競馬で自分の国を有名にしようということから始めた。(例えて言えば地方自治体の村おこしのようなものだ)もともとUAE(アラブ首長国連邦)にある7つの首長国の1つにすぎないこの国を知っている人はそんなに多くないだろう。かく言う私も競馬に関わることがなければ、一生知らないままでいたかもしれない。

しかし、世界最高の600万ドル(約7億5000万円)の賞金を狙って世界各国から一流馬が参戦し、異常な盛り上がりをみせるこの1日だけで、その目論見は十分すぎるほど達成されているといえるだろう。5万人を超える大観衆が世界中から来場した今開催には、日本からも過去最高の5頭がエントリーし、それぞれの得意とする距離で世界を相手に健闘した。(この日だけで7つのGレースが組まれている)

その中で、ステイゴールドがあのファンタスティックライト(USA)をゴール前出し抜いて1着、トゥザビクトリーもワールドカップG1(ダ2000m)でゴール直前まで逃げ粘り、こちらも超一流馬キャプテンスティーブ(USA)の2着という快挙で世界の度肝を抜いた。

これまでにも世界を相手に勝ったJRAの優駿としては、タイキシャトル、シーキングザパール、エルコンドルパサーなどが有名だが、共通しているのは全て<外国産馬>だったことだ。今回、純粋に日本で生まれ日本で育成された<内国産馬>が、正真正銘のワールドワイドな檜舞台で、実力とレベルを十分に証明した記念すべき日となったのである。99年エルコンドルパサーがフランスの凱旋門賞で2着した時も、かなり話題としては盛り上がった。しかし実績十分、半年前から渡仏、調整万全の体制で臨んだ姿は、メジャーに挑戦するイチローみたいなもので、活躍できて当り前のような空気があったのも確かだ。

ステイゴールド(牡7歳)は、お世辞にも超一流とはいえないが、どんなレースでも一生懸命走るタイプの馬である。そんなところに惹かれるのか、シルバーコレクター(異常なほど2着が多い)と呼ばれながらも結構ファンが多い。しかし今回の快挙を予想していた人はあまりいないだろう。こちらは思いつきで(じゃないかもしれないが)メジャー入りしたシンジョーの思わぬ活躍といったところか。

しかし、なにはともあれ『勝てば官軍』である。この後、夏のG1宝塚記念を予定しているという我らがヒーロー、ステイゴールド。名前どおりに金の輝きを持ち続けてほしい!
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