日本を代表する劇作家と演出家のタッグ
『表裏源内蛙合戦』は、70年にテアトル・エコーのこけら落とし公演を飾った、希代の劇作家、井上ひさしの30代の頃の作品です。昔、むかーし、授業で名前を聞いたことのある(ような気もする?)江戸時代の奇人であり天才、平賀源内を主人公に据えた抱腹絶倒音楽劇が蜷川幸雄の演出で上演! 長い間、演劇界の第一線を走り続ける二人のタッグは今回で4度目となります。
さまざまなジャンルで多彩な才能を発揮しながらも、奇人としても知られる平賀源内の生涯を、井上ひさしは音楽劇によって展開していきます。なかでも特筆すべきは、源内の表と裏を二つのキャラクターとして描いている点。“表の源内”は、今回が蜷川作品初出演となる上川隆也、“裏の源内”は蜷川作品ではすっかりおなじみとなった勝村政信が務めます。
そのほかのキャスト陣も、高岡早紀、豊原功補、篠原ともえ、六平直政といった個性派、実力派が勢ぞろい!
上演時間は4時間以上!
実はこの作品、登場する俳優38人! その38人が200以上の役柄に挑みます。衣裳は400着、かつらも180! 上演時間も4時間に及び、これぞ、名実ともに「大作」。
初日前に行われた会見で、演出の蜷川氏は、「4時間我慢して、いろいろな演じ方を楽しんでください。楽しんでいるうちに4時間経っていると思います」とひとこと。井上ひさしの作品については、「まじめな話がセックスの話になっていったり、だじゃれがまじめな話につながっていったりする。井上作品には世界のすべてが入っている」とコメント。
そうなんです。井上作品は言葉遊びがおもしろく、また、さまざまなことを内包しているので、想像力をかきたてられます。
今回、蜷川作品初登場となる上川も、「井上さんの初期の、過剰なところが多く、そこが魅力でもある作品。その過剰さを蜷川さんの愛が包んでいる。どうぞ観に来てください」と手ごたえを感じている様子。