方言で「女相撲」の世界を描く
取り組みのシーンは、迫力満点です! |
え、私、どこに来たんだっけ? そうそう稽古場だ!
今回、ご紹介する作品、『天(あま)の空一つに見える』は、長野県の女だけの相撲部屋が舞台。
公演場所でもある稽古場にはすでに土俵も用意され、ホンモノの相撲部屋かと見まがうほどです。稽古が始まって間もないこの日は、まわしを付けての立ち稽古が行われていました。
青年団リンクとして活動を開始したユニット「?山植物園」の4年ぶりの新作となる本作は、相撲部屋を舞台に、親方の妻の死、一人の死が残された者に与える影響、女相撲への思い、大相撲の女人禁制など、登場人物それぞれの思いが交錯していく物語。
作・演出の?山さなえさんはいいます。
「普段、生活していてつらいことってたくさんある。私もつらいことばかりで、生きていくだけで本当に精一杯です(笑)。だから、この人たちを救ってあげたい、そして、登場人物たちを救うことで私自身が救われたいという気持ちもあって」
「抽象」の世界観を描きたい
作・演出の?山さなえさん |
「作品によって、標準語にしたり、方言にしたりしているのですが、今回は方言で女相撲をやったらおもしろいのではないかと。標準語でやるよりも情緒的で、どろくさいものを出したいと思っています」
「言葉と言葉の間で、どれだけ観客の心を揺さぶることができるか」を大切に、作品づくりを心がけてきた?山さん。2005年のインドネシア滞在から帰国後、第一作となる本作では新たな挑戦にも挑みます。
「抽象的なものを描きたいと思っています。私は高校のときに美術部に入っていて、今も時々、具象画を描きます。今回の芝居も前半は具象的なのですが、私自身はとても抽象的な人間で、抽象的な言葉でしか人とコミュニケーションがとれません。今一度、自分の原点に戻る意味でも、今回の作品では、クライマックスの四場では、抽象的なものを描きたいと思っています」
公演情報
『天(あま)の空一つに見える』
作・演出:高山さなえ
公演期間:1/23(金)~2/1(日)
会場:アトリエ春風舎
料金:予約2,000円 当日2,500円