さまざまな階級の人のさまざまな生き方を描く群像劇
設計士役を務める松岡充は、この作品が本格的なミュージカルデビューとなります |
私が個人的に印象に残ったのは、諏訪マリーさんと光枝明彦さんの老夫婦。繊細で丁寧な演技、そして、あえて船に残ることを選んだ二人が沈没前に、愛を歌う「STILL」は、とても心に響きました。
冒頭にも述べましたが、出演者はそれぞれ個性のある、芸達者な方たちばかり。タイタニック号のキャプテン(宝田明)、オーナー(大澄賢也)、設計士(松岡充)、若き一等航海士(岡田浩暉)、アメリカに渡り、金持ちのメイドになることを夢見るアイルランド人 (紫吹淳)、一流になることを夢見るアメリカ人の二等船客(森口博子)など、それぞれに確実に見せ場があるのは群像劇ならでは。「もっとこの人の歌を聞きたいのに~」と、物足りなくなるくらいの贅沢さもたまりません。
もし、私がタイタニック号に乗っていたら──? 帰り道、まだ頭の中で、印象的なフレーズが流れるなか、ずっとそんなことを考えていました。
●公演情報
公式ホームページ
公演期間:2007年1月15(月)~2月4日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC