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海外ドラマのいまと昔 Part1(4ページ目)

50年代、60年代、70年代を振り返りながら「海外ドラマのいまと昔」をご紹介いたします。

執筆者:堀川 樹里


ルーツ

メッセージ性の強いドラマが主流の70年代

1970年代は泥沼化するベトナム戦争、ウォーターゲート事件での政治家のスキャンダルなどがアメリカ国民の怒りをあおり、自分達で行動を起こさなければならないと、大きな意識改革が起こりました。

アメリカテレビ史上最高視聴率51.1%をマークし続けている、OJシンプソンも出演したアメリカン・アフリカンのルーツをたどった『ルーツ』(77年)、ユダヤ人大虐殺を描いた『ホロスコープ』(78年)など、過去の過ちを見つめなおすことを促さす番組が立て続けに放送され大きな反響を呼びました。

朝鮮戦争最前線の野戦病院が舞台の『マッシュ MASH』は反戦ドラマとして大ヒットし、医師の一人がサンフランシスコに帰国し活躍するスピンオフ『Trapper John, MD』(79年)を生んでいます。

またこの年代を代表する医療ドラマ『外科医ギャノン』(69年)は大学付属病院が舞台となり、この頃から組織の中で葛藤しながら命を助ける医師が主人公となるケースが多くなってきました。

メッセージ性の強いドラマといえば、ウォーターゲート事件をうけて、ホワイトハウスの黒い陰謀を暴露した政治ドラマ『権力と陰謀・大統領の密室』(77年)でしょう。そのあまりの内容にアメリカ中が大きな衝撃を受けました。

刑事ものが多く製作されたのもこの時代で、おなじみの『刑事コロンボ』(72年)、型破りな刑事が主人公の『刑事バレッタ』(75年)、ミニスカートにピンヒールで颯爽と駆け抜ける姿が人気を呼んだ『女刑事ペパー』(74年)などが放送されています。

また西部っぽい田舎っぽい雰囲気が受けた『警部マクロード』(70年)、カルフォルニアが舞台の『白バイ野郎ジョン&パンチ』(77年)、あまりに暴力的なためシーズン1で打ち切りとなったSWATチームの活躍を描いたドラマ『特別射撃隊 SWAT』(75年)も人気がありました。

現在ヒットしているドラマの原型ともいえるドラマもこの時期に放送されています。犯人が残した遺留品や証拠品、被害者の検死結果などを寄せ集め犯人を突き止める『Dr.刑事クレイシー』(76年)、ラスベガスの裏舞台を描いた『ベガス Vega$』(78年)がそうです。石油王一族の権力争いに愛憎物語『ダラス』(78年)も大ヒットし、プライム・ソープ(ゴールデンアワーで放送される昼メロっぽい番組)というカテゴリーを生み出しています。

女性の強さを描いたドラマも多く、映画化された『チャーリーズ・エンジェル』(76年)、アメリカン・コミックの実写版ドラマ『ワンダーウーマン』(71年)、女性サイボーグが主人公の『地上最強の美女 バイオニックジェニー』(76年)は日本でも人気がでました。

しかし、この時代が生んだドラマで日本で一番受け入れられたのは『大草原の小さな家』(74年)でしょう。1870年代を舞台に家族愛を描いたこのドラマは、多くの視聴者を虜にしたのでした。


次回は80年代、90年代、そして2000年に入ってから製作されたアメリカン・ドラマをご紹介いたします。お楽しみに!
事実に忠実に描かれたと高い評価を得た『ルーツ』
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