アメリカのセレブはプリウスがお好き(6ページ目)

セレブから庶民に広がるハイブリッド

全米最大のスポーツイベント、スーパーボールのコマーシャルは全米が視聴することになり、絶大の宣伝効果を挙げること有名です。

今年のスーパーボールのコマーシャルで一番注目を浴び、大きな話題を呼んだのはトヨタのハイブリッド・カムリでした。

コマーシャルは、ラティーノ系の父親がハイブリッド・カムリを運転しながら、後方のチャイルド（ブースター）・シートに座る息子と会話をするというものです。

父親はスペイン語訛りの英語でハイブリッド車が、ガソリン車から電気自動車に、どう変換できるのか、息子に説明しています。父親は移民だということが想像できます。

息子は「パパが英語とスペイン語の両方を操れるように？」と聞き、父親は「そうだよ」とスペイン語で答えます。息子の英語にはスペイン語のアクセントは全くなく、アメリカで生まれ育っていることを意味しています。

そして、最後に息子が「どうして、パパは英語を勉強したの？」と聞き、父親は「For your future.　(君の将来のためにさ）」と答えるのです。

このコマーシャルはアフリカン・アメリカンを抜き、今やアメリカ最大のマイノリティーとなったラティーノ・アメリカンにアプローチするため作成されたと考えられますが、ラティーノだけでなく多くのアメリカ人がこのコマーシャルに心を打たれました。

子供の将来、未来のために親が努力してよりよい環境を残すべきだと、皆が共感したのです。

セレブが広めたハイブリッド車は、今やアメリカ国民の人気の的となっています。

一昔前の「お金があったらジャガーに乗りたい」が今や「お金があったらプリウスに乗りたい」になったのです。

トヨタが誇るハイブリッド車は、日本の一流企業は環境を考えた開発、生産を積極的に取り組んでいる、と世界に広めてくれました。

今やサムライ、ゲイシャの日本は過去のものとなり、クリーン・エネルギーを生み出した国、そしてアメリカ人のセレブを癒すハローキティの国として認知されるようになっているのです。

日本に対するイメージを一新させたハリウッドスターたちの力も相当なものだと思いませんか。

日本のイメージを大きく変えたトヨタ。ハリウッドスターがプリウスを好む理由が詳しく書かれた本も発売されています