「変化しないのは死んでいるのと同じ」

—電気がない時代にこだわった、というのは面白い発想ですね。
「電気がない時代を舞台にすれば、『暗さ』を利用して光の演出をすることができます。この映画ではすべてのものが『動く』のです。光も、音も動き、役者も動き、カメラも動く。それが私が一番大切にした点でした。というのは、私は映画を撮り始めてからいつも、映画とは何かということをずっと考え続けてきました。だから、映画でしか見せることができないものを見せたいと思っているのです。この作品は中国のアクション映画とも違うし、日本のサムライ映画とも違う。ちょっと似ているものがあるとすれば、黒澤明監督の作品に近いかもしれません。動きの力という点で。日本の配給会社の人がこの作品を見て最初に言ったのは『こんな映画は初めてだ』ということでした」

—前作の『NOWHERE 情け容赦なし』ともカラーが異なっています。前作は99年に製作され、その後監督はアメリカで活動していましたが、帰国後に『デュエリスト』のようにこれまでの作品と大きく違うものを作ったのは、何かきっかけがあったのですか。
「特にスタイルを変化させようと思ったわけではありません。私は映画を撮るときにはその作品のことだけを考えているのです。『デュエリスト』を観てスタイルがアップグレイトされたという人もいますが、特に狙ったわけではないのです。ただ、変化したといわれるのはうれしいですね。変化しないのは死んでいるのと同じ(笑い)。ずっと変化をつづけて生きたいと思っています」

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インタビューは昨年秋、釜山国際映画祭の会場で行いました。その後日本公開向けに再編集を行ったとのことでした。韓国版と日本版の両方を観ましたが、日本版はストーリーをよりわかりやすく、カン・ドンウォンとハ・ジウォンの物語に焦点を当てた形で作られています。すでに日本での公開が決まっていたため、日本の人たちへのメッセージを伺ったところ、「これは新しい映画です。新しい映画には新しい気持ちが必要。先入観なく観てください」と話していた監督。インタビューでは、独創的な映像を生むのが納得の、発想のオモシロさがとても魅力的でした。

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