「お互いを信じたとき、マジックが生まれる」
すべてのシーンをスタントなしでカン・ドンウォンは演じきった。 |
「私に対して意見することはなかったですね。撮影に入る前、彼にこういったのです。『おまえは俺を信じろ。俺はおまえを信じる。そうすれば、あるものが生まれるんだ。それは、マジックだ』とね。マジックポイントというのは、お互いを信じたときに生まれるんです。
現場で彼を怒ったことは一度もありませんでした」
―アクションの要素も多く取り入れていますが、苦労したのはどんな点ですか?
「アクションの動きのベースとなったタンゴ、バレエなどをカン・ドンウォンさんとハ・ジウォンさんは夜中まで練習していましたね。カン・ドンウォンさんは一度もスタントを使わず自分でアクションもこなしました。私がそうさせたのです。『演技者になりたかったら、ラクをしようと思うな』と。本人も自分がやってみせるといいました。おそらく彼はこの映画に深い愛情を持っていると思います」
朝鮮時代を舞台にした、意外な理由
―監督の作品の中では、本作は異色の時代劇ともいえますが、朝鮮時代を舞台にした理由は何ですか?「朝鮮時代を舞台にしてはいますが、私の映画の中では時間や空間というのは重要な背景ではありません。理由は、私は自分の映画が時が経っても人々に観てもらえる作品になってほしいと思っているのです。だから私の作品は、他のものもそうなのですが、時代を設定していないのです。イム・グォンテク監督のいくつかの作品や映画『スキャンダル』も朝鮮時代を描いていますが、私の作品はそういったものとは異なっています。今回なぜ朝鮮時代を舞台にしたのかというと、電気がない時代を撮りたかったからです」
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