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あえて、タレント・三遊亭円楽を偲ぶ(3ページ目)

昭和、平成の落語界を牽引してきた名人・三遊亭円楽の訃報は、各マスコミ、WEBを席巻しました。ただ残念なのは、落語以外の活動に言及されていないこと。なので、ここではタレント円楽について振り返ってみます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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クールなのにニヤニヤ笑える超異色版

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円楽のプレイボーイ講座12章 (紙ジャケットCD) ~前田憲男とプレイボーイズ
※『始めに言っておこう、プレイボーイの全ては女である』 12章に渡って円楽が語りかけ、ムーディなジャズが全編を彩ります。ちなみにセクシーなジャケットは松岡きっこデス。
おそらく、こんな破天荒なアルバムをリリースした落語家は、後にも先にも1人きりでは(写真右)。クレージーケンバンドの横山剣が激賞したことで、数十年の時を越えて、復刻リリースが実現した1枚です。

円楽語るところの「プレイボーイになるための条件」に、前田憲男とプレイボーイズのクールな演奏がシンクロする、何ともスタイリッシュなアルバム。途中ででオチャラケることもなく、延々と甘い低音で聞かせてくれますが、ラストの一言が落語でいう「考えオチ」になってます。

ラウンジアルバムとしても一流。手の込んだジョークとしては超一流。初めて聴く人は、40年以上前にこんなシャレた作品があったのかと驚くのでは。タレント円楽の代表作といっても過言ではないでしょう。

その後の活躍はご存知の通り

その後、正統派古典落語の道に打ち込み、次第にタレント活動を縮小させていった円楽師。ただ「笑点」だけは、途中にブランクがあったものの、長きに渡って勤め上げました。

大喜利の司会が三波伸介の急死で、円楽師の昇格となった時、子ども心に「なんか詰まんなくなったな」と思ったのは事実です。今から考えると、司会が一番目立った従来の流れを一変させ、お題を答える落語家の側にスポットが当たるよう配慮したのでしょう。その誠実さこそが、本当の素顔だったのかもしれません。

昭和、平成を通して第一線で活躍していた大名人の訃報は残念でなりませんが、本道の古典落語についてはCD、DVD等に生前の雄姿が数多く収められています。ただ、軽妙なトークを聞かせてくれたタレントとしての音源が、ほとんど残っていないことが悔やまれます。

どこか、タレント円楽の魅力を集めた作品をリリースしてくれるところありませんか? もしも実現するなら、協力は惜しみません!!

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