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デーブ・スペクターのKYギャグに痺れろ!(2ページ目)

ふと気付くと、長年に渡って浮き沈みなく芸能界に独自の地位を築いてきた面白外国人タレント、デーブ・スペクター。最近ではKYなギャグが、逆に人気を呼んでいるとか。そんな不思議な魅力のデーブに迫ってみます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

路線変更してのKYギャグ

画像の代替テキスト
『パン屋のヤコブ―複雑な世の中のための心やさしい哲学』著:ノア・ベンシー 翻訳:デーブ・スペクター(DHC)
翻訳家としても活躍するデーブ。英語はもちろん、日本語が堪能でないと勤まらない仕事です
ほとんどの人は気付いていないかもしれませんが、デーブがテレビに出始めた1984年当時と今とでは、そのジョークの質は大きく変わっています。当初のネタは、まさに典型的なアメリカンジョークでした。この手の笑いを日本人が聞いた時、ニヤリとはできても、そこから爆笑までには繋がりにくいものです。

その頃、デーブのジョークを聞いたあるタレントから「今のジョークは自分で考えたんですか?」と訊ねられ、かなり気分を害したようでした。少なくてもアメリカでは、頻繁に参加するパーティ用のジョークを全て自分で考えたりしません。ジョークについての考え方が日米で大きく食い違ってる代表例でしょう。

その辺りから、ジョークに対しての意識も少し変わってきたようで、パーティジョークの本にそのまま載ってるようなネタは、徐々に影を潜めてきました。それに変わって増えてきたのが、自らを笑う自虐ギャグと、いわゆるおやじギャグ。最近の言葉で言えばKYギャグでした。

日本人は自虐ギャグが好き?

「僕はガイジンなのに漢字読めるんですよ。空気は読めないけどね」 。たぶん、ここ数年のデーブ・スペクターが発した中で、たぶんいちばん受けがいいジョークでしょう。彼自身のパーソナリティを一言で表現しているという点でも、ハイレベルと言えるのでは。

KYギャグにしても、デーブが喋ると、一種の自虐ネタに見えてきます。というのも、まったく場の空気を読まずに繰り出すわけで、ほとんどの場合失笑状態になります。ただ、それを想定のうえで、KYギャグを連発してる姿は、まさに自虐的です。

たぶん、日本人が自虐ギャグを好きなのを察知して、自身のジョークに取り入れた結果なんでしょう。謙譲の美徳を知る日本人は、自虐的ギャグを聞いても、それを鵜呑みにして相手を見下したりはしません。自己主張することが正しいとされる欧米とは、笑いのツボ一つをとっても違うようです。

次のページでは、本当は人一倍空気読めてるんじゃ?
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