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マジック番組を見て感じる2,3の疑問(3ページ目)

またまたブーム到来の雰囲気なのが、スペシャル編成で行われるマジック番組。人気が高いのは結構なんですが、多少気になる点がなくもなく…。ということで、今回はマジック番組に思うことなどを書かせてもらいます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

映像トリックを使ったマジックの是非



最後に、ここまで紹介してきた以上に、深刻なある問題について考えていきます。どう言い表したら良いのか悩みながら書いていきますが、それは、一部のマジシャンが演じている「過剰な演出」についての疑問です。

彼らは奇跡のようなマジックを披露し、全国の視聴者を驚愕させていますが、その中にはテレビの中でしか演じられないものも有るとか。つまり、周囲の観客はいわゆるサクラ。リアルタイムで演じてるように見えて、実は一反カメラを止めて編集処理が行われている。おまけに実際はそこに無いものを、CG等の特殊撮影で有る様に見せているらしいのです。

広い意味で捉えれば、これらもトリックの一種でしょう。現に「タネ明かし問題」では猛抗議するマジシャン団体も、この件については特にコメントしてません。つまりマジシャンサイドはほぼ容認の方向のようです。

ただ、テレビを見る側としては、いかがなものかと思ってしまいます。客席の観客や街頭の一般人に見えたのが実はサクラで、突然に何かが出現したり、消滅したり、はたまた貫通しても、カメラのトリックだったとすると、もはやマジックではなく「特撮」じゃないのかと言いたくなります。

マジックブームを終わらせないために



「マジックが特撮だったら、何が悪い?」と聞かれたら、「すべてのマジックが特撮と思われていいんですか?」と答えるでしょう。映像上のトリックを使っているマジシャンも、マジックすべてが「特撮」頼みではなく、洗練された技術も駆使しています。にもかかわらず、それも「特撮」と見られる訳ですよ。

さらに当人の問題だけでなく、周囲のマジシャンまで「特撮」と思われかねません。そうなると、今のマジック人気も尻すぼみになる恐れも。何より、血のにじむような練習で習得した技なのに、「どうせ特撮だから」とタカを括られてしまったら、そのマジシャンは完全にやる気を失ってしまうでしょう。

もちろん、いまテレビ業界を揺るがせている「やらせ・捏造問題」とリンクして考えるつもりは全くありません。情報番組と娯楽バラエティは切り離して扱うべきです。しかし、あまりにも過剰な演出を加えたテレビ用マジックは、今後の展開を大いに考えていく必要があるのではないでしょうか。

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